[13日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して終了した。米政府が対中追加関税措置の発動を一部延期すると発表したことを受け、広範な買いが入った。
発表を受け、米中貿易摩擦やリセッション(景気後退)を巡る懸念が後退。アップル (O:AAPL)などハイテク株が主要3株価指数の上昇をけん引した。
米通商代表部(USTR)は13日、9月1日に発動予定の中国製品に対する10%の追加関税のうち、ノートパソコンや携帯電話など一部製品への発動を延期すると発表した。
ノバポイントの最高投資責任者(CIO)、ジョゼフ・スローカ氏は、対中追加関税の一部延期が通商面での楽観的な見方につながり、下押し圧力を抑制したと指摘。「決算シーズンが終わりに近づいているため、今後数週間は地政学的およびマクロ経済的なニュースが市場の方向性を決めるだろう」と述べた。
関税延期の恩恵を得るとみられるアップルは4.2%高。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数) (SOX)は3.0%高。
この日発表された7月の消費者物価指数(CPI)は上昇。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が前年同月比2.2%上昇と半年ぶりの伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標2%を上回った。
インフレ指標は健全だったが、来月の米追加利下げに対する市場期待は変わらず。スローカ氏は「通商問題が経済成長を妨げる可能性は高い」とし、9月の利下げは事前的な安全策として捉えられると述べた。
債券市場では長短金利差が12年超ぶりの水準に縮小したが、対中追加関税の一部延期を背景に利回りは全般的に上昇した。
セクター別では全11業種が上昇。情報技術 (SPLRCT)と一般消費財 (SPLRCD)が最も値上がりした。
玩具や靴などが関税延期の対象となったことでナイキ (N:NKE)が2%高となったほか、玩具メーカーのハスブロ (O:HAS)とマテル (O:MAT)がそれぞれ2.7%、4.6%上昇した。
米メディア大手CBS (N:CBS)とバイアコム (O:VIAB)はそれぞれ1.4%高と2.4%高。株式交換による再統合での合意を発表した。
第2・四半期決算の発表は終盤に差し掛かっている。リフィニティブによると、S&P500構成銘柄のうち453社が決算を発表し、73.3%がコンセンサス予想を上回った。S&P500構成銘柄の第2・四半期の増益率は前年比で2.9%と、7月1日時点の0.3%から大幅に改善すると見込まれている。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.46対1の比率で上回った。ナスダックは2.30対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は79億5000万株。直近20営業日の平均は73億4000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 26279.91 +372.54 +1.44 25888.8 26426.9 25833.2 (DJI)
8 7 5
前営業日終値 25907.37
ナスダック総合 8016.36 +152.95 +1.95 0.00 8065.24 7851.58 (IXIC)
前営業日終値 7863.41
S&P総合500種 2926.32 +42.57 +1.48 2880.72 2943.31 2877.05 (SPX)
前営業日終値 2883.75
ダウ輸送株20種 10148.68 +115.10 +1.15 (DJT)
ダウ公共株15種 825.24 -0.41 -0.05 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1489.66 +42.68 +2.95 (SOX)
VIX指数 17.61 -3.48 -16.50 (VIX)
S&P一般消費財 935.46 +15.40 +1.67 (SPLRCD)
S&P素材 359.97 +4.19 +1.18 (SPLRCM)
S&P工業 632.99 +7.18 +1.15 (SPLRCI)
S&P主要消費財 612.34 +7.22 +1.19 (SPLRCS)
S&P金融 446.72 +5.23 +1.18 (SPSY)
S&P不動産 237.98 +0.19 +0.08
S&Pエネルギー 434.15 +4.36 +1.01 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1059.98 +13.49 +1.29 (SPXHC)
S&P通信サービス 166.78 +2.46 +1.50 (SPLRCL)
S&P情報技術 1391.09 +33.54 +2.47 (SPLRCT)
S&P公益事業 307.88 +0.13 +0.04 (SPLRCU)
NYSE出来高 9.26億株
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 20725 + 375 大阪比
シカゴ日経先物9月限 円建て 20720 + 370 大阪比