[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米国株式市場は大幅高で取引を終えた。債券上昇の一服に加え、ドイツの財政出動を巡る報道が株式市場への資金回帰につながった。
主要3株価指数は上昇したが、週間では3週連続で下落した。米中貿易摩擦の激化や地政学的な緊張感、債券市場を発端とする景気減速懸念の高まりなどが市場を揺さぶった。
シュピーゲル誌は16日、ドイツの連立政権が、景気後退に陥った際に備え財政均衡ルールを撤廃し、新たな借り入れを行う用意を整えると報道。ドイツ経済が景気後退を回避するとの期待が広がり、世界的な景気減速懸念が後退した。
レノックス・ウエルス・アドバイザーズのデービッド・カーター最高投資責任者(CIO)はシュピーゲル誌の報道について「素晴らしいニュース」としながらも、「最終的には不確実性を生み出し、市場を軟化させる可能性がある」と指摘。「世界の不確実性は大きく増大しており、終わる兆しが見えない」と述べた。
報道を受け、米10年債利回りは3年ぶりの低水準から上昇。金利動向に敏感な銀行株<.SPXBK>が2.6%高となった。
S&P11業種全てが上昇。工業 (SPLRCI)、情報技術 (SPLRCT)、金融 (SPSY)が最も上昇した。
個別銘柄では米エヌビディア (O:NVDA)が7.3%高。15日発表した第2・四半期(7月28日まで)決算は売上高と利益が市場予想を上回った。ゲーム向けおよび自動車向け半導体事業が予想よりも好調だった。
フィラデルフィア半導体指数 (SOX)は2.8%高。
米農業機械メーカーのディア (N:DE)は3.8%高。四半期利益は予想に届かなかったものの、コスト管理を見直す方針が好感された。
米ゼネラル・エレクトリック(GE) (N:GE)は9.7%高。15日の通常取引で株価が急落する中、ラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)が200万ドル近くに相当する株式を取得したことが、米証券取引委員会(SEC)への提出文書で明らかになった。
第2・四半期決算の発表は終盤に差し掛かっている。リフィニティブによると、S&P500構成銘柄のうち459社が決算を発表し、73%がコンセンサス予想を上回った。S&P500構成銘柄の第2・四半期の増益率は前年比で2.9%と見込まれている。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.36対1の比率で上回った。ナスダックは3.69対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は66億1000万株。直近20営業日の平均は75億4000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 25886.01 +306.62 +1.20 25678.1 25929.6 25678. (DJI)
7 5 17
前営業日終値 25579.39
ナスダック総合 7895.99 +129.38 +1.67 7828.35 7907.52 7828.3 (IXIC)
5
前営業日終値 7766.62
S&P総合500種 2888.68 +41.08 +1.44 2864.74 2893.63 2864.7 (SPX)
4
前営業日終値 2847.60
ダウ輸送株20種 9967.32 +202.83 +2.08 (DJT)
ダウ公共株15種 831.22 +2.56 +0.31 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1479.25 +39.96 +2.78 (SOX)
VIX指数 18.47 -2.71 -12.80 (VIX)
S&P一般消費財 915.32 +9.90 +1.09 (SPLRCD)
S&P素材 354.34 +6.12 +1.76 (SPLRCM)
S&P工業 624.22 +11.61 +1.90 (SPLRCI)
S&P主要消費財 618.62 +6.88 +1.12 (SPLRCS)
S&P金融 440.19 +8.03 +1.86 (SPSY)
S&P不動産 238.85 +1.49 +0.63 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 419.03 +4.91 +1.19 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1045.86 +12.34 +1.19 (SPXHC)
S&P通信サービス 164.35 +1.91 +1.18 (SPLRCL)
S&P情報技術 1370.62 +25.28 +1.88 (SPLRCT)
S&P公益事業 309.93 +1.10 +0.35 (SPLRCU)
NYSE出来高 9.02億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 20570 + 180 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物9月限 円建て 20565 + 175 大阪比 <0#NIY:>
(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)