前日の米国市場はダウ平均株価が上昇するもS&P500とナスダック総合指数は下落するなどまちまちだった。カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁とフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁が相次いで、現時点での利下げの必要性はないと発言し、本日午後11時のパウエルFRB議長の講演も市場が期待するハト派的なものではないとの予測が先行し、株価の上値を重くした。また、製造業PMIがほぼ10年ぶりに50を下回ったことも市場心理を暗くした。その一方で737型機に関するニュースによりボーイング社 (NYSE:BA)の株価が上昇したことで、ダウ平均は押し上げられた。
利下げ期待の後退を受けて、午前11時11分時点での米10年債利回りは1.647%と大きく上昇し、ドル/円は106.54円となっている。
軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄という驚きの決定を下した韓国だが、ドル/ウォンは0.43%高、韓国総合株価指数は0.10%安となっている。この決定直後から一時収まっていたウォン安が大きく進んでおり、日韓関係の決定的な悪化につながるとして金融市場はこのニュースを嫌気している。
上海総合指数は0.04%高、ドル/オフショア人民元は0.14%高となっている。
日経平均株価は2万659円と上昇しているが、本日深夜のパウエル議長講演を控えて、様子見姿勢が強い。後場も引き続き特別な材料がなければ上下に大きく動くことは想定しにくいだろう。2万600円台で膠着状態が続くという形が見込まれる。