[東京 27日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比248円29銭高の2万0509円33銭と反発した。米中協議の進展期待の高まりや、外為市場でドル/円が円安に振れていることなどを好感して、輸出関連株を中心に幅広く買われている。前日までは、朝方の変動が一巡した後は、動きが止まったものの、この日は買いが一巡した後にジリ高の展開となるなど、動きにうねりが出てきたことが注目されていた。
トランプ米大統領が中国から通商交渉再開に向けた申し入れがあったことを明らかにし、通商協議を再開する方針を表明したことで不安感が後退、26日の米国株式市場は主要3指数がそろって上昇し、これがムードを好転させている。投資家の不安心理の度合いを示すボラティリティー・インデックス(VIX、恐怖指数) (VIX)は一時約1週間ぶりの高水準に達した。
また、トランプ大統領は、日本との貿易交渉が基本合意したことを受け、日本車への追加関税を考えていないとの意見を表明したことも注目され、トヨタ自動車 (T:7203)、ホンダ (T:7267)といった自動車株が物色されたほか、急落していたフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数) (SOX)が反転し、東京エレクトロン (T:8035)など半導体関連株が堅調になるなど、プラス材料が多かったことも、堅調な地合いに結びついたという。
朝方は「ショートカバーで引き戻しそうだが、米中対立に対する不安感は残る。一気に戻す感じにはならないのではないか」(キャピタル・パートナーズ証券・チーフマーケットアナリストの倉持宏朗氏)との見方が支配的だったものの、「不安感が完全に払しょくされていないなか、ジリ高ながら中盤以降に動きが出ていたことは注目できる。個別ににぎわうものが出ており、アクティブな資金も流入した様子だ」(SBI証券・シニアマーケットアドバイザーの雨宮京子氏)といった声も出ていた。
個別では、SUBARU (T:7270)が4月18日の年初来高値2890円を更新したほか、ソニー (T:6758)、キヤノン (T:7751)など輸出関連株が総じてしっかり。スズキ (T:7269)も高く、指数寄与度が高いファーストリテイリング (T:9983)も急反発した。
TOPIXは10.99%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は7484億円で引き続き商いは薄い。東証33業種は保険業を除く32業種が上昇した。
東証1部の騰落数は、値上がりが1770銘柄に対し、値下がりが296銘柄、変わらずが83銘柄だった。