[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場はおおむね横ばいで終了した。エネルギー株などが買われたものの、ハイテク株と不動産関連株に売りが出た。
工業株がダウ平均 (DJI)の上昇に寄与。S&P総合500種 (SPX)も小幅高となった。ナスダック総合 (IXIC)は3日続落。
スレートストーン・ウェルスの首席投資ストラテジストのロバート・パブリック氏は「割安感のある銘柄へのシフトが続いている。道理にかない、ポートフォリオのリスク低下が見込める分野を探している」と述べた。
中国国家統計局が10日発表した8月の生産者物価指数(PPI)は前年比0.8%低下で、2016年8月以来の大幅なマイナスだった。米国との貿易戦争が影響した。
香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国は対米交渉を優位に進めるため、米国からの農産品購入を増やすとみられる。
一方、低調な中国PPI指標は関税に敏感なテクノロジー株の重しとなり、S&P情報技術株は0.5%下落した。
市場では米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の利下げが見込まれている。また、この日はドイツのショルツ財務相が議会下院での予算審議で、独経済がリセッション(景気後退)に陥った場合に大規模な刺激策を講じる用意があることを示唆した。
米中間の緊張緩和のほか、ドイツに関する報道を受け、米国債利回りはドイツ国債に追随して4週間ぶり水準に上昇した。
S&Pの主要11セクターのうち、6セクターが上昇。エネルギー株 (SPNY)や工業株 (SPLRCI)の上昇率が大きかった。金利に敏感な不動産株<.SPLRCR>は1.4%下落した。
アップルは1.2%高。この日の新製品発表イベントで、動画ストリーミングサービス「アップルTVプラス」を11月1日から月額4.99ドルで開始すると発表。新型のiPhoneやアップルウオッチも発表した。
ファストフードチェーン大手のウェンディーズ (O:WEN)は10.2%安。通期の調整後利益見通しを下方修正した。
自動車大手のフォード・モーター (N:F)は1.3%で終了。ムーディーズがフォードの優先無担保債務の格付けを「Baa3」から投機的等級の「Ba1」に引き下げた。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.36対1の比率で上回った。ナスダックも1.78対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は80億5000万株。直近20営業日の平均は68億6000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 26909.43 +73.92 +0.28 26805.8 26909.4 26717.0 (DJI)
3 3 5
前営業日終値 26835.51
ナスダック総合 8084.16 -3.28 -0.04 8049.98 8086.53 8001.69 (IXIC)
前営業日終値 8087.44
S&P総合500種 2979.39 +0.96 +0.03 2971.01 2979.39 2957.01 (SPX)
前営業日終値 2978.43
ダウ輸送株20種 10672.12 +161.56 +1.54 (DJT)
ダウ公共株15種 844.45 +0.11 +0.01 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1583.15 +6.76 +0.43 (SOX)
VIX指数 15.12 -0.15 -0.98 (VIX)
S&P一般消費財 964.29 -3.70 -0.38 (SPLRCD)
S&P素材 359.08 +3.50 +0.98 (SPLRCM)
S&P工業 655.99 +6.49 +1.00 (SPLRCI)
S&P主要消費財 623.01 -3.82 -0.61 (SPLRCS)
S&P金融 462.85 +1.86 +0.40 (SPSY)
S&P不動産 240.42 -3.33 -1.37 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 446.98 +5.71 +1.29 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1047.12 +3.05 +0.29 (SPXHC)
S&P通信サービス 170.15 -0.05 -0.03 (SPLRCL)
S&P情報技術 1409.53 -6.96 -0.49 (SPLRCT)
S&P公益事業 315.43 +0.31 +0.10 (SPLRCU)
NYSE出来高 9.87億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 21455 + 105 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物9月限 円建て 21450 + 100 大阪比 <0#NIY:>