[国連 25日 ロイター] - イランのロウハニ大統領は25日、国連総会の一般討論演説で、2015年の核合意の範囲を超える合意には、米国による一段の資金拠出が必要との見解を示した。また、国連総会の合間にトランプ米大統領と会談する可能性を否定した。
ロウハニ大統領は、圧力下での対話に対する答えは「ノーだ」と述べた。さらに米国が核合意の修正を求めるなら「一段の資金を拠出すべきだ」と述べた。詳細には踏み込まなかった。
両国の当局者らは、交渉の可能性に含みを持たせているものの、イランがその条件として米国の制裁解除を要求する中、米国はイランに「最大限の圧力」をかける戦略の一環として新たな制裁を導入しており、交渉の実現は依然として不透明だ。
米財務省はこの日、イラン産原油を不正に輸送したとして、中国の個人や団体に新たなに制裁を加えると発表。制裁対象は5個人と6団体で、中国遠洋海運集団の子会社2社などが含まれる。
サウジアラビア石油施設の攻撃を受け、米政府がサウジでの米軍のプレゼンス拡大を計画する中、ロウハニ大統領は「われわれはいかなる外国からの挑発的な介入も容認しない。イランの安全保障に対するいかなる脅威にも断固として対応する」と言明した。
トランプ大統領は、前日行った国連演説で「全ての国は行動する義務がある。責任ある政府はイランの血への欲望を支援すべきではない」とし、「イランが脅迫的な行動を続ける限り、制裁は解除されず、強化されることになる」と言明した。
イラン当局者は25日、イランのロウハニ大統領と米国のトランプ大統領がニューヨークで開かれている国連総会の会期中に会談を行う可能性はないと述べた。
イラン当局者はロイターに対し、首脳会談実現の可能性は「ゼロ」だとし、米国は2015年のイラン核合意に復帰するとともに、制裁措置を解除する必要があると語った。
トランプ大統領は前日、国連総会で行った一般討論演説で、サウジアラビアの石油施設攻撃に関連し、イランの残虐性を批判し、同国に圧力を掛けるため米国に歩調を合わせるよう各国に求めた。同時に平和へ向けた道は残されているとも強調した。
ロウハニ大統領も、制裁を解除すれば米国は核合意を巡る多国間協議に参加できるとし、外交的な余地を残している。
ポンペオ米国務長官は25日、記者団に対し「米国はイランとの平和的な解決を望んでいる」と述べ、イラン次第だと強調。同国と交渉する機会を得たい意向を示した。
米国務省当局者によると、米国はまた、イランで拘束されている米国人の解放を求めて同国の当局者と連絡を取っている。
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