[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米国株式市場は、好調な企業決算を受け市場心理が好転し、主要3指数はそれぞれ小幅に上昇して終了した。地政学的要因も貢献した。
英国と欧州連合(EU)は17日、英EU離脱(ブレグジット)協定案を修正することで合意した。離脱が決まった英国民投票から3年余りを経て、今月末の離脱期日を前にぎりぎりの合意にたどり着いたが、ジョンソン英首相には議会承認というハードルがなお残っている。
米中通商摩擦を巡っては、中国商務省が同日、米国との通商交渉で可能な限り早期に段階的な合意に達し、双方の製品に対する関税の撤回を進展させたいと表明。ムニューシン米財務長官は前日、第1段階の合意について、両国首脳が来月署名できるよう、双方の交渉団が文書化に取り組んでいると明らかにした。
このほか、ペンス米副大統領は17日、トルコがシリア北部で展開する軍事作戦を5日間停止することで合意したと発表した。
ウェドブッシュ・セキュリティーズのシニアバイスプレジデント、スティーブン・マソッカ氏は「トルコ停戦が好意的に受け止められた」とし、トランプ大統領にとって良いニュースは市場にも良いニュースだと述べた。
リフィニティブのアナリスト予想によると、S&P総合500種指数採用企業の2019年第3・四半期利益は前年同期比2.9%減少する見通し。減益なら2016年以降で初。ただ、これまでに第3・四半期決算を発表した63社のうち、利益がアナリスト予想を上回った企業の割合は82.5%に上る。
マソッカ氏は企業決算について「これまでは良好だが、期待と比較してどうかを判断する十分なデータはまだない」と述べた。
この日発表した金融大手モルガン・スタンレー (N:MS)の第3・四半期決算は、債券トレーディング業務とM&A(合併・買収)アドバイザリー業務が好調だったことで利益が予想を上回った。株価は1.5%高で引けた。
動画配信サービス大手ネットフリックス (O:NFLX)は前日引け後に発表した決算を受け2.5%高。有料契約者数がアナリスト予想平均を上回った。
複合企業ハネウェル・インターナショナルは第3・四半期決算が売上高が予想に届かず、通年の売上高見通しの上限を下方修正。ただ、地政学的要因の改善で株価は2.4%上昇した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.10対1の比率で上回った。ナスダックでも1.90対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は60億1000万株。直近20営業日の平均は67億9000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 27025.88 +23.90 +0.09 27032.3 27112.1 26970.2 (DJI)
8 6 9
前営業日終値 27001.98
ナスダック総合 8156.85 +32.67 +0.40 8176.91 8183.64 8131.25 (IXIC)
前営業日終値 8124.18
S&P総合500種 2997.95 +8.26 +0.28 3000.77 3008.29 2991.79 (SPX)
前営業日終値 2989.69
ダウ輸送株20種 10496.18 +63.37 +0.61 (DJT)
ダウ公共株15種 862.34 +2.94 +0.34 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1607.16 +5.37 +0.34 (SOX)
VIX指数 13.84 +0.16 +1.17 (VIX)
S&P一般消費財 961.90 +3.05 +0.32 (SPLRCD)
S&P素材 360.97 +0.69 +0.19 (SPLRCM)
S&P工業 654.11 +3.07 +0.47 (SPLRCI)
S&P主要消費財 622.28 +2.44 +0.39 (SPLRCS)
S&P金融 465.37 +0.53 +0.11 (SPSY)
S&P不動産 244.63 +1.64 +0.68 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 422.97 +0.16 +0.04 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1065.21 +8.01 +0.76 (SPXHC)
S&P通信サービス 171.98 +1.09 +0.64 (SPLRCL)
S&P情報技術 1432.88 -3.35 -0.23 (SPLRCT)
S&P公益事業 322.76 +0.73 +0.23 (SPLRCU)
NYSE出来高 7.62億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 22540 + 80 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物12月限 円建て 22520 + 60 大阪比 <0#NIY:>