日経平均は3日ぶり小幅反落。
8.34円安の22540.56円(出来高概算5億9000万株)で前場の取引を終えている。
米株式市場でNYダウは21日に57ドル高、22日に39ドル安と一進一退だった。
中国の劉鶴副首相が米中貿易協議の進展を示唆したことが好感される一方、決算が嫌気された外食のマクドナルドや保険のトラベラーズがNYダウを押し下げ、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感も相場の重しとなった。
本日の日経平均は米中協議の進展や企業業績の改善への期待を背景に70円高からスタートしたが、朝方には一転して一時22457.89円(91.01円安)まで下落。
その後も21日終値を挟んで上下に振れ、方向感に乏しい展開となった。
東証1部の値下がり銘柄は全体の4割強、対して値上がり銘柄は5割強となっている。
個別では、ソフトバンクG (T:9984)が売買代金トップで2%超の下落。
米シェアオフィス大手がソフトバンクGによる経営支援を受け入れる方向と伝わっているが、負担増への懸念が先行した。
東エレク (T:8035)やSUMCO (T:3436)、ルネサス (T:6723)といった、ここまで相場のけん引役だった半導体関連株の軟調ぶりが目立つ。
米半導体大手の市場予想を下回る業績見通しがネガティブ視されているようだ。
その他売買代金上位では任天堂 (T:7974)やソニー (T:6758)が軟調で、ファーストリテ (T:9983)は小幅に下落。
また、キャリアインデ (T:6538)が利益確定売りに押され急反落し、東証1部下落率トップとなった。
一方、エーザイ (T:4523)はストップ高水準での買い気配が続いている。
3月に治験中止を発表したアルツハイマー病新薬について、一転して米国で承認申請すると発表している。
売買代金上位では村田製 (T:6981)が堅調で、トヨタ自 (T:7203)は小幅に上昇。
また、業績上方修正のNSW (T:9739)が急伸し、アジア投資 (T:8518)などとともに東証1部上昇率上位に顔を出している。
セクターでは、精密機器、繊維製品、金属製品などが下落率上位。
反面、医薬品、海運業、非鉄金属などが上昇率上位だった。
前場の日経平均は方向感に乏しく、結局小幅な下落で前場を折り返した。
東証1部の値上がり銘柄は全体の半数以上で、東証株価指数(TOPIX)は小幅ながらプラスを確保しており、市場のムードはさほど悪くない。
先週まで日経平均主導の急ピッチの株高を見せていたため、想定内の調整と捉える向きが多いだろう。
上昇局面で乗り遅れた投資家の買いが入りやすいとみられ、日経平均も22500円水準で底堅さを見せている。
ただ半導体株安の流れを見ると、先行する海外企業の決算を受けて業績見極めムードが早くも台頭してきた感がある。
先週末に当欄で指摘したとおり、底打ち期待が高まる半導体関連製品も向け先によって先行きへの見方は強弱分かれているようだ。
決算で実際の事業環境が見えてくるにつれ、銘柄選別の動きが強まる可能性がある。
本日の日本電産 (T:6594)を皮切りに主要企業の決算発表がスタートし、24日には中外薬 (T:4519)、25日にはエムスリー (T:2413)、信越化 (T:4063)、NRI (T:4307)などが発表を予定している。
日経平均はひとまず年初来高値水準で決算発表シーズンを迎える格好となりそうだが、ここまで外需株の業績底打ち期待を急速に織り込んできただけに、期待どおりあく抜け感のある決算内容かどうか慎重に見極めたいところだ。
(小林大純)