■業績動向1. 2020年2月期第2四半期累計業績の概要10月3日付で発表されたクリーク・アンド・リバー社 (T:4763)の2020年2月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比11.4%増の16,512百万円、営業利益で同0.1%増の1,265百万円、経常利益で同1.0%増の1,268百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同7.2%増の791百万円となり、半期ベースで過去最高業績を更新した。
新規事業への投資増や新作ゲームのリリース遅れ、賃借料や人件費増などの減益要因があったものの、医療、会計・法曹分野を中心としたエージェンシー事業(派遣・紹介)の好調でカバーした。
また、会社計画比では売上高で0.7%増、営業利益で2.6%減となった。
営業利益で若干下回ったが、これはゲーム事業においてクレイテックワークスの新作タイトル「パレットパレード」のリリース時期や韓国子会社でライセンス展開するスマホ向けRPG「Ceres M(セレス エム)」※の世界配信時期が9月にずれ込んだことが主因となっている。
※2018年に配信した「ファイブキングダム」をベースとしたタイトルで、韓国での評価は高い。
共同開発パートナーは韓国のNeoul Entertainment Co., Ltd.(以下、Neoul)で、Neoulがプロモーションも行っている。
売上高を事業別で見ると、プロデュース事業が前年同期比7.1%増の6,494百万円、エージェンシー(派遣)事業が同14.5%増の6,069百万円、エージェンシー(紹介)事業が同16.9%増の2,692百万円、ライツマネジメント事業が同5.7%増の1,257百万円とすべての事業が増加し、なかでもエージェンシー事業の伸びが目立った。
営業利益率が前年同期の8.5%から7.7%に低下したが、これは新規事業の先行投資により売上総利益率が同0.3ポイント低下したほか、販管費率が同0.5ポイント上昇したことが要因となっている。
販売費及び一般管理費(以下、販管費)の増加要因は、更なる事業成長のための戦略的人員増強による人件費増(同4.3億円増)に加えて、2018年10月にグループ本社を移転統合したことに伴う地代家賃及び減価償却費の増加(同2.0億円増)によるものとなっている。
8月末時点の従業員数は1,730人と前年同期比で246人の増加となった。
新規事業への投資による営業利益のへのマイナスインパクトは394百万円となり、前年同期の103百万円から291百円増加した(前年同期比の減益要因)。
内訳は表のとおりで、医療分野の新規事業(M&A、事業承継、広告事業)、クリエイティブ分野の新規事業(舞台芸術、リサーチャー)、新規サービス(ドローン、語学)への投資に加えて、ゲーム事業の配信遅れ(クレイテックワークス及び韓国子会社)、ゲーム分野の人材育成を目的に開始したアカデミー事業にかかる投資費用、投資段階のグループ会社の損失等となっている。
このうちゲーム事業の配信遅れによる影響額は61百万円程度だったと見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)