[15日 ロイター] - 米国株式市場は主要3株価指数が最高値を更新。米中通商合意を巡る楽観論が追い風になったほか、ヘルスケア株の大幅上昇が寄与した。
S&P総合500種は6週連続で上昇。週間の連続上昇記録としては約2年ぶりの長さだった。ダウ工業株30種平均は初めて2万8000ドル台に乗せた。
カドロー米国家経済会議委員長は14日、中国との通商協議について、両国が電話で緊密に連絡を取り合っていると明らかにするとともに、協議は極めて建設的で合意は近いとの認識を示した。
グレンミードのジェイソン・プライド最高投資責任者(CIO)は、米中通商関係を巡る不透明感が「かなり長期にわたって市場や株式の大きな変動源であったことは明らかだ。それが何らかの形で解決すれば、多くの投資家や経営陣の心の中にある不確実性が取り除かれ株高につながる」と述べた。
セクター別では11業種中10業種が上昇。ヘルスケア株 (SPXHC)が上昇をけん引し、2.2%高と1日の上昇率としては1月以来の大きさとなった。医療保険最大手ユナイテッドヘルス・グループ (N:UNH)が5.3%、製薬大手ファイザー (N:PFE)が2.0%上昇した。
トランプ政権がこの日、医療価格の透明性に関して発表したことがヘルスケア株の買い材料となった。グリーンウッド・キャピタルのウォルター・トッドCIOは、規制や選挙を巡るリスクがヘルスケアセクターの2019年のアンダーパフォームにつながっており、この日の上昇はその巻き戻しとの見方を示した。
半導体・ディスプレー製造装置の米アプライド・マテリアル (O:AMAT)は9.0%高。第1・四半期の売上高および利益見通しが市場予想を上回った。
フィラデルフィア半導体(SOX)指数 (SOX)は0.9%上昇し、最高値を更新。ただ、米半導体大手エヌビディア (O:NVDA)が決算を受けて2.7%下落し、SOX指数の上値を抑えた。
米商務省が15日発表した10月の小売売上高は前月比0.3%増と、前月の落ち込みから持ち直した。ただ衣料や高額の家庭用品の売り上げは減り、好調な年末商戦への期待が後退する可能性がある。市場予想は0.2%増だった。[nL4N27V434]
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.84対1の比率で上回った。ナスダックでは1.50対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は約65億株。直近20営業日の平均は69億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 28004.8 +222.93 +0.80 27843. 28004. 27843. (DJI)
9 54 89 54
前営業日終値 27781.9
ナスダック総合 8540.83 +61.81 +0.73 8524.4 8540.8 8506.8 (IXIC)
8 3 0
前営業日終値 8479.02
S&P総合500種 3120.46 +23.83 +0.77 3107.9 3120.4 3104.6 (SPX)
2 6 0
前営業日終値 3096.63
ダウ輸送株20種 10876.2 +4.94 +0.05 (DJT)
ダウ公共株15種 848.47 +2.94 +0.35 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1742.93 +15.34 +0.89 (SOX)
VIX指数 12.05 -1.00 -7.66 (VIX)
S&P一般消費財 951.74 +1.38 +0.14 (SPLRCD)
S&P素材 378.32 -0.28 -0.07 (SPLRCM)
S&P工業 692.36 +4.72 +0.69 (SPLRCI)
S&P主要消費財 629.27 +0.57 +0.09 (SPLRCS)
S&P金融 493.22 +2.23 +0.46 (SPSY)
S&P不動産 238.11 +1.38 +0.58
S&Pエネルギー 440.43 +2.93 +0.67 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1126.75 +24.37 +2.21 (SPXHC)
S&P通信サービス 177.63 +1.25 +0.71 (SPLRCL)
S&P情報技術 1529.44 +12.76 +0.84 (SPLRCT)
S&P公益事業 317.84 +0.84 +0.27 (SPLRCU)
NYSE出来高 8.89億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 23380 + 40 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 23365 + 25 大阪比
(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)