[29日 ロイター] - 米国株式市場は下落して取引を終えた。米中通商協議を巡る懸念に加え、年末商戦の幕開けとなる感謝祭明けの「ブラックフライデー」での店舗の集客が例年よりも少なかったことで小売株が売られた。
中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙、環球時報の胡錫進編集長は28日、ツイッターで、中国が香港の反政府デモを支援する米国の法案を起草した人物を中国本土および香港、マカオへの入国を禁止するリストに載せることを検討していると明らかにした。
またロイターは29日、関係筋の話として、米政府は米国の技術が用いられている海外製品の中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への販売制限を強化する可能性があると報じた。
S&P総合500種はこの日の安値をやや上回る水準で引けたが、ファーウェイに関する報道を受け、取引終盤は売りが強まった。
通商面の影響を受けやすいフィラデルフィア半導体(SOX)指数 (SOX)は1.1%安となった。
リフィニティブのデータによると、月次ではS&Pが3.4%高。ダウ工業株30種とナスダック総合はそれぞれ3.7%、4.5%上昇した。月間上昇率は主要3株価指数いずれも6月以来の大きさだった。
ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ・ソリューションズのポートフォリオマネジャー兼ストラテジスト、ジャック・ジャナシーウィックツ氏は、米中関連のニュースが29日の市場の「やや弱い地合い」につながったと述べた。
この日は感謝祭の休場明けで市場参加者が少なかった上、ジャナシーウィックツ氏によると、来週には雇用統計などの経済指標が発表されるほか、ブラックフライデーの売上高を確認したいとの見方もあり、手控えムードだったという。
ブラックフライデーを巡っては、店舗に行列をつくる人の姿が例年より少なく、セール前倒しやオンラインショッピング拡大の影響が出ているとみられている。
S&P小売指数が0.8%安。コールズ (N:KSS)が2.7%安、ギャップ (N:GPS)が1.8%安となった。ウォルマート (N:WMT)は0.3%上昇した一方、コストコ (O:COST)は0.3%下落。ベスト・バイ (N:BBY)も値下がりした。
個別銘柄ではテック・データ (O:TECD)が12.3%急伸。アポロ・グローバル・マネジメント (N:APO)が同社に対する買収額を51億4000万ドルに引き上げた。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.86対1の比率で上回った。ナスダックでも1.35対1で値下がり銘柄数が多かった。
29日は短縮取引で、米取引所の合算出来高は35億5000万株。直近20営業日の平均は68億6000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 28051.4 -112.59 -0.40 28103. 28119. 28042. (DJI)
1 16 51 53
前営業日終値 28164.0
ナスダック総合 8665.47 -39.70 -0.46 8682.0 8697.3 8664.0 (IXIC)
1 3 4
前営業日終値 8705.18
S&P総合500種 3140.98 -12.65 -0.40 3147.1 3150.3 3139.3 (SPX)
8 0 4
前営業日終値 3153.63
ダウ輸送株20種 10857.5 -89.98 -0.82 (DJT)
ダウ公共株15種 851.72 -1.15 -0.13 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1716.84 -19.07 -1.10 (SOX)
VIX指数 12.62 +0.87 +7.40 (VIX)
S&P一般消費財 960.79 -7.42 -0.77 (SPLRCD)
S&P素材 375.24 -1.72 -0.46 (SPLRCM)
S&P工業 688.72 -3.72 -0.54 (SPLRCI)
S&P主要消費財 634.09 -0.91 -0.14 (SPLRCS)
S&P金融 498.96 -1.07 -0.21 (SPSY)
S&P不動産 238.43 -1.06 -0.44
S&Pエネルギー 431.37 -4.41 -1.01 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1148.69 -4.04 -0.35 (SPXHC)
S&P通信サービス 178.24 -0.65 -0.36 (SPLRCL)
S&P情報技術 1542.98 -5.20 -0.34 (SPLRCT)
S&P公益事業 318.36 -0.45 -0.14 (SPLRCU)
NYSE出来高 5.18億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 23330 + 40 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 23330 + 40 大阪比