■事業概要3. 制作・システム開発事業・その他Jストリーム (T:4308)は動画配信のシステムを提供するだけでなく、動画制作から運用までをトータルプロデュースしている。
Webサイトの企画立案から動画などコンテンツ、素材調達に至るまでの制作体制を完備し、さらにグループ子会社の動画制作、Web制作・運用、システム開発などの機能もフルに活用している。
六本木の自社スタジオでは、背景を合成するバーチャルセット、ライブ配信に必要な設備、オペレーターを配備し、スタジオのレンタルサービスも可能である。
また、機材のない場所でもスタジオと同レベルの動画を制作できる、リモートバーチャルスタジオというサービスもある。
同社のエンコードチームは常に最新の端末や配信技術、コーデックを取り入れており、短納期や大量の依頼にも対応可能な体制を取っている。
ほかにも、スマートフォン向け高画質動画編集アプリケーションプラットフォーム「Videolicious」、動画とスライドを連携する「ePreCreator」などのサービスもある。
その他の事業では、多チャンネル事業者やCATV事業者向けのエンコードなど設備のインテグレーション業務や、動画広告関連の広告代理業に類するサービスを提供している。
ビッグエムズワイを完全子会社化4. グループ会社の機能同社のサービスやソリューションの脇を固めるのがグループ会社である。
(株)CO3はオンキヨー (T:6628)との合弁会社で、課金や会員認証などのプラットフォームの提供を行っている。
トランス・コスモスと共同で出資した経緯があるクロスコ(株)は、プランニングや映像制作など販促機能を有する。
(株)Jクリエイティブワークスは主にWebサイトの制作や運用支援などを行っている。
2017年8月に子会社化した(株)イノコスは、多チャンネル事業者やCATV事業者向けに、放送局内部向けエンコード設備の輸入・販売や開発、それらシステムのインテグレーション業務などを行っている。
視聴者への配信を得意とする同社とはシナジーが期待でき、需要拡大が見込まれる放送と通信の連携やコンテンツプロバイダー向け大容量動画配信など、今後のサービス拡大につながると予想される。
2018年8月にマイノリティ出資(39%)していたビッグエムズワイを2019年8月に完全子会社化した。
ビッグエムズワイは売上高13億円、営業利益1億円規模の企業だが、インターネットで医師に医薬情報を提供する「eディテーリング」において累計2,000本の映像コンテンツを制作するなど、黎明期から数多くのデジタルコンテンツの制作を手掛けてきた。
近年は、医薬品メーカー向け顧客管理ソリューションで有名な「VeevaCLM(Closed Loop Marketing)」のコンテンツ制作・運用・分析を行っている。
「VeevaCLM 」を使ったサービスは、MR(Medical Representative:医薬品メーカーの医薬情報担当者)向けのインタラクティブなコミュニケーションサービスで、すでに広く利用され今後も継続的に成長が見込まれている。
そのほか医療系Webサイト制作、医療系Webシステムを開発、医師収録専用クロマキースタジオ、医療向けマルチデバイスLIVE配信など数多くのサービスを手がけており、インターネットを利用した医薬系の情報提供・マーケティングビジネスについて高いシェアを誇っている。
同社とは顧客層やサービス内容の面で補完し合うことが多く、今後、相互の顧客へ相互のサービスを用いた幅広いアプローチが実現できるようになると期待されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)