日経平均は反落。
86.15円安の23979.97円(出来高概算6億1000万株)で前場の取引を終えている。
17日の米株式市場でNYダウは31ドル高と5日続伸し、連日で過去最高値を更新した。
米中が貿易協議の「第1段階」で合意して投資家心理が上向いており、11月の住宅着工・建設許可件数や鉱工業生産が市場予想を上回ったことも好感された。
ただ、ジョンソン英首相が英国の欧州連合(EU)離脱について、通商協議の動向に関わらず2020年末までに完了する方針を示し、今後の混乱を予想する見方から上値は限られた。
前日に年初来高値を更新した日経平均だが、本日は利益確定の売りが先行し42円安からスタート。
米株高が心理的な支えとなったものの、高値警戒感から積極的な買いは乏しく、24000円を挟みもみ合う展開となった。
東証1部の値下がり銘柄は全体の7割強、対して値上がり銘柄は2割強となっている。
個別では、任天堂 (T:7974)が利益確定売り優勢で2%超下落し、一部証券会社の投資判断引き下げが観測されたSUMCO (T:3436)は4%近い下落。
第一三共 (T:4568)は4%超の下落となったが、前日のR&D(研究開発)説明会を受けて短期的な材料出尽くし感が広がったようだ。
その他では東エレク (T:8035)、ソニー (T:6758)、キーエンス (T:6861)などがさえない。
前日に社長逮捕を受けて売り気配のままストップ安比例配分となったプレサンス (T:3254)は本日、ストップ安水準で売買成立すると下げ渋ったが、前引け時点で東証1部下落率トップとなっている。
一方、ソフトバンクG (T:9984)が売買代金トップで2%超上昇し、画像診断機器事業の売却が報じられた日立 (T:6501)は3%超の上昇。
その他ではJT (T:2914)も堅調で、メガバンク株は小高い。
また、今期業績予想を上方修正したCDS (T:2169)や決算が好感されたアスクル (T:2678)などが東証1部上昇率上位に顔を出した。
セクターでは、海運業、その他製品、不動産業などが下落率上位。
半面、証券、鉱業、情報・通信業などが上昇率上位だった。
前日の米主要株価指数が連日で過去最高値を更新したにもかかわらず、本日の日経平均は利益確定売りに押され反落している。
ただ、今のところ節目の24000円を大きく割り込むような展開とはなっておらず、前日までと状況に大きな変化はないと考えてよいだろう。
米中協議の「第1段階」の合意への期待などから24000円台回復まで急ピッチの上昇だったため、過熱警戒感も意識されるところ。
一段の上値追い材料待ちとなり、目先の利益を確定する売りが出ているようだ。
英国のEU離脱を巡り、円相場が下げ渋っている点もやや気掛かり。
反面、米国株は堅調で、アジア株も値を崩しておらず、積極的に売る材料は見当たらない。
前引けの東証株価指数(TOPIX)下落率は0.31%で日銀による上場投資信託(ETF)買い実施は期待されず、後場弱含む場面が出てくる可能性はあるが、下値では押し目買いの動きもあるだろう。
新興市場ではマザーズ指数が1%超の下落となっている。
サンバイオ (T:4592)は取引時間中としては3日ぶりに売買成立したものの、大幅に4日続落。
その他では本日上場したJTOWER (T:4485)やマクアケ (T:4479)、フリー (T:4478)といった直近IPO(新規株式公開)銘柄が活況で、マザーズ指数の押し上げには寄与していない。
ただ、本日のJTOWERも含め初値好調なIPO銘柄が相次いでおり、IPOラッシュが一巡する年末以降、資金還流によるマザーズ銘柄の再上昇に期待する向きが多いようだ。
今週あたりから先取りする動きが出てくる可能性もあるだろう。
(小林大純)