[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種 (SPX)が小幅に上昇し、ナスダック総合 (IXIC)は最高値を更新して取引を終えた。ネットフリックス (O:NFLX)が急伸し、相場を支援した。ただ、中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大や、まちまちの内容となった企業決算を受け、上値は抑制された。
S&Pとナスダックは、ほぼマイナス圏で推移していたが、取引終盤に製薬大手、ギリアド・サイエンシズ (O:GILD)が自社のエボラ用試験薬を新型コロナウイルス感染の治療に利用できるかどうか検証していると明らかにし、プラス圏に回復した。
ダウ工業株30種 (DJI)は小幅安となった。
同ウイルスによる肺炎での死者は18人となり、中国当局は感染拡大の阻止に向け、発生した湖北省武漢市の実質的な封鎖に乗り出しているが、世界保健機関(WHO)は23日、「国際的な公衆衛生上の緊急事態と判断するには時期尚早」との判断を下した。[nL4N29S48M]
中国で大規模な人の移動が見込まれる春節(旧正月)の大型連休を前に感染が広がっていることから世界の株式市場が圧迫されている。
リフィニティブのデータによると、第4・四半期決算発表が進む中、アナリストはS&P総合500種採用企業の同四半期が0.7%の減益になると予想。これまでに74社が決算を発表済みで、このうち67.6%が市場予想を上回っている。
S&Pの主要11セクターでは6セクターが下落。ヘルスケア株指数 (SPXHC)の下落率が最大だった。一方、工業株指数 (SPLRCI)が最も大きく上げた。
損害保険大手トラベラーズ (N:TRV)の第4・四半期は利益が予想を上回ったものの、同社株は5.1%下落。ダウの下げを主導した。
ケーブルテレビ大手コムキャスト (O:CMCSA)も決算が予想を上回ったものの、契約者数が予想以上に減少。3.8%安となった。
同じく決算が予想を上回った鉱業大手フリーポート・マクモラン (N:FCX)も2.8%下落。投資家はインドネシアでの生産減少に注目した。
一方、鉄道輸送大手ユニオン・パシフィック (N:UNP)は3.5%高。米中の「第1段階」通商合意が、輸送量の改善につながるとの見通しが好感された。
ネットフリックスは7.2%急伸。さえない業績見通しを受けて今週売られていたが、反発した。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.01対1の比率で上回った。ナスダックでも1.15対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は75億2000万株。直近20営業日の平均は68億7000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 29160.09 -26.18 -0.09 29111.02 29190.47 28966.98 (DJI)
前営業日終値 29186.27
ナスダック総合 9402.48 +18.71 +0.20 9377.72 9409.20 9334.13 (IXIC)
前営業日終値 9383.77
S&P総合500種 3325.54 +3.79 +0.11 3315.77 3326.88 3301.87 (SPX)
前営業日終値 3321.75
ダウ輸送株20種 11143.42 +144.06 +1.31 (DJT)
ダウ公共株15種 928.57 +8.61 +0.94 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1945.37 +15.14 +0.78 (SOX)
VIX指数 12.96 +0.05 +0.39 (VIX)
S&P一般消費財 1004.12 +1.20 +0.12 (SPLRCD)
S&P素材 377.88 -0.52 -0.14 (SPLRCM)
S&P工業 707.90 +7.88 +1.13 (SPLRCI)
S&P主要消費財 657.70 -1.74 -0.26 (SPLRCS)
S&P金融 510.99 -1.20 -0.23 (SPSY)
S&P不動産 248.75 +2.38 +0.97 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 434.81 -1.58 -0.36 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1213.60 -6.04 -0.50 (SPXHC)
S&P通信サービス 190.47 -0.65 -0.34 (SPLRCL)
S&P情報技術 1718.85 +8.27 +0.48 (SPLRCT)
S&P公益事業 346.11 +3.15 +0.92 (SPLRCU)
NYSE出来高 9.94億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 23810 + 60 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物3月限 円建て 23795 + 45 大阪比 <0#NIY:>
*内容を追加します。