[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米国株式市場は3日続伸。S&P総合500種 (SPX)は終値ベースで過去最高値を更新した。新型コロナウイルスを巡る懸念が緩和したほか、堅調な米経済指標を受けた。
ナスダック総合 (IXIC)も最高値で終了したが、電気自動車(EV)メーカーのテスラ (O:TSLA)が急落し、上値を抑制した。
5日発表された1月のADP全米雇用報告は、民間部門雇用者数が29万1000人増と、2015年5月以来の大幅な伸びを記録。米供給管理協会(ISM)の1月非製造業総合指数(NMI)も55.5と、2019年8月以来の高水準となり、米経済の緩やかな拡大が続いていることが示された。[nL4N2A544Z][nL4N2A5440]
S&P500種は前週、大幅下落していたが、新型コロナウイルスによる経済への影響を緩和するため、中国当局が大規模な資金供給を実施したことを受け、下落分を全て取り戻している。
チェリー・レーン・インベストメンツのパートナー、リック・メクラー氏は「このような低金利環境では株式のほかに投資先の選択肢はほとんどない。経済が持ちこたえている限り、投資家は市場に戻ってくる」と指摘。「現在は大量売りが出ることよりも、機会を逃すことへの懸念が強い」と語った。
S&Pの主要セクターではエネルギー株指数 (SPNY)が3.8%高と最大の上昇率となった。原油価格の上昇が背景。
ヘルスケア株指数 (SPXHC)は2.0%上昇。医療保険株が上げを主導したほか、バイオ医薬品のバイオジェン (O:BIIB)が17.5%急伸し、指数を押し上げた。同社は多発性硬化症(MS)治療薬の特許を巡る訴訟で勝利した。
前日まで6営業日にわたって値上がりしてきたテスラは17.2%急落。同社幹部が、新型コロナウイルスの影響で中国で生産する「モデル3」の出荷に一部遅れが出ると表明したことが嫌気された。[nL4N2A547S]
自動車大手フォード・モーター (N:F)は9.5%安。2020年の利益見通しが市場予想を下回った。[nL4N2A53Z9]
一方、四半期利益が予想を上回った香水・化粧品のコティCOTY.N>は14.5%急伸した。
製薬大手メルク (N:MRK)は2.9%下落。女性の健康に関する事業やバイオ後続医薬品事業などをスピンオフ(分離・独立)して上場すると発表した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.14対1の比率で上回った。ナスダックでは2.41対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は約80億株。直近20営業日の平均は77億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 29290.85 +483.22 +1.68 29048.73 29308.89 29000.85 (DJI)
前営業日終値 28807.63
ナスダック総合 9508.68 +40.71 +0.43 9574.10 9574.94 9454.93 (IXIC)
前営業日終値 9467.97
S&P総合500種 3334.69 +37.10 +1.13 3324.91 3337.58 3313.75 (SPX)
前営業日終値 3297.59
ダウ輸送株20種 10928.84 +145.81 +1.35 (DJT)
ダウ公共株15種 934.85 +4.51 +0.48 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1909.52 +40.87 +2.19 (SOX)
VIX指数 15.15 -0.90 -5.61 (VIX)
S&P一般消費財 1020.57 +5.03 +0.49 (SPLRCD)
S&P素材 383.18 +7.01 +1.86 (SPLRCM)
S&P工業 707.99 +11.57 +1.66 (SPLRCI)
S&P主要消費財 656.67 +4.94 +0.76 (SPLRCS)
S&P金融 515.20 +9.95 +1.97 (SPSY)
S&P不動産 246.67 -0.17 -0.07 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 415.97 +15.16 +3.78 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1207.71 +23.30 +1.97 (SPXHC)
S&P通信サービス 186.55 +0.09 +0.05 (SPLRCL)
S&P情報技術 1750.55 +10.49 +0.60 (SPLRCT)
S&P公益事業 349.07 +1.46 +0.42 (SPLRCU)
NYSE出来高 10.47億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 23695 + 335 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物3月限 円建て 23690 + 330 大阪比 <0#NIY:>
*内容を追加しました。