[9日 ロイター] - ソウル株式市場は大幅続落。新型コロナウイルスの流行による経済的な打撃を恐れ、投資家がより安全な資産に資金を移した。また原油相場が急落し、パニック売りの様相となったことも地合いを弱めた。
キウム証券のアナリストは「投資家は世界中での急速な感染拡大を懸念しており、資産の安全な逃避先を急いで求めている状態だ」と解説した。
サムスン電子 (KS:005930)とSKハイニックス (KS:000660)はそれぞれ4.8%、6.4%安。
シドニー株式市場は急落。新型コロナウイルスの感染が急速に拡大する中、経済的影響がより深刻になるとの懸念が強まり、投資家が安全資産買いを急いだ。原油相場の急落も株価に響いた。
S&P/ASX200指数は一時5.6%安と、取引時間中としては2008年11月13日以来の大幅下落を記録。0103GMT(現地時間午後0時03分、日本時間午前10時03分)時点では前週末終値(6216.20)比338.50ポイント(5.5%)安。前営業日6日は2.8%安だった。
アルゴノートの株式取引担当エグゼクティブ・ディレクター、ジェームズ・マクグルー氏は「現時点でブレーキはない。完全降伏だ」と指摘。「オーストラリアは国内でのコロナウイルス感染件数の増加よりも、最大の貿易相手国・中国をめぐる経済の不透明感が打撃となっている。石油危機も加えれば、大混乱だ」とした上で「きょうは何よりも懸念がこの市場を動かしている」と強調した。
8日の原油先物相場は、1日としては1991年以来の大幅下落を記録した。
シドニー市場ではエネルギー株指数 (AXEJ)が一時19%安と、取引時間中としては過去最大の下落率を記録。石油大手のオイル・サーチ (AX:OSH)と石油・ガス大手サントス (AX:STO)はそれぞれ約25%急落した。
金属・鉱業株指数 (AXMM)も6%超下落。銅、アルミなど工業用金属相場が6日に大幅下落した後を受けた。
鉱業大手BHPグループ (AX:BHP)は13%超急落し、約2年ぶり安値水準。同業リオ・ティント (AX:RIO)は6%余り下げ、2016年6月以来の大幅下落。
金融株指数 (AXFJ)も5%超下落。4大銀行株は4─5%安。
一方で投資家は安全資産とされる金に注目、金鉱株指数 (AXGD)は2.3%余り上伸した。