［東京 ３０日 ロイター］ - 東京株式市場で日経平均は５日続落した。オーバーナイトの米国株市場で主要３指数が揃って上昇した流れを引き継ぎ高く始まった後は、国内での新型コロナウイルスの感染者数増加が嫌気され、徐々に値を消す展開となった。個別では、前日発表した決算内容を手掛かりとする物色が継続した。
日経平均は前場では米国株高を好感しプラス圏での推移となったが、後場はマイナス圏に転落、その後もみあいの値動きとなった。取引時間中に東京都で過去最多である３７０人近くの新型コロナウイルス感染者が報告されたことや、新型コロナウイルスの感染防止策として、東京都内の飲食店とカラオケ店に再び営業時間の短縮を要請する方向で調整しているとの報道が嫌気された。
個別では、前日に４─６月期の好決算を発表したエムスリー (T:2413)、野村ホールディングス (T:8604)などが買われる一方、今期業績予想を下方修正した花王 (T:4452)や、２０２１年３月期の連結業績が６００億円の純損失になるとの見通しを発表した三越伊勢丹ホールディングス (T:3099)が売られるなど、決算内容の強弱に素直に反応した。
ＴＯＰＩＸは３日続落。東証３３業種は、空運業、電気・ガス業、陸運業、鉱業などの２９業種が値下がり。半面、証券業、精密機器、情報・通信業などの４業種が値上がりした。
市場では「国内での新型コロナウイルス感染者数の増加を受け、長期化懸念が改めて意識されたようだ。企業決算も前回は非開示としていた見通しを今回新たに開示する企業が多いが、厳しさを確認させられるような内容が目立つ。今週は決算が本格化するので、明日も同様の流れとなる可能性が高い」（三井住友ＤＳアセットマネジメントのシニアストラテジスト、市川雅浩氏）との声が聞かれた。
東証１部の騰落数は、値上がりが７６９銘柄に対し、値下がりが１３２１銘柄、変わらずが８１銘柄だった。