米国労働省はワシントンで7日に最新7月の雇用統計を発表する。
市場の平均予想は失業率がと10.5%と、4月に14.7%と過去最高に達したのち、さらに低下が予想されている。
非農業部門雇用者数は前月比+150万人と、6月に+480万人と過去最大の雇用増を記録したのち、伸びが鈍化すると見られているものの3カ月連続の増加が予想されている。
先行指標の中で、米労働省が発表する雇用統計と最も相関性が強いとされる民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の7月分は+16.7万人とかろうじて増加を保ったものの、6月+431.4万人から伸びが予想以上に鈍化した。
地区製造業の雇用は減少から増加に改善しているものの、全米の製造業活動を示すISM製造業景況指数の雇用は44.3と6月42.1から小幅の上昇にとどまり、12カ月連続の50割れで活動は縮小のまま。
また、米国経済は消費が7割を占めるため特に注目されるISM非製造業景況指数の雇用は42.1と、6月43.1から逆に低下。
5カ月連続で50を割り込み、活動の縮小は一段と拡大した。
7月は新型コロナウイルスが再燃し経済活動の再開が遅れ、企業は再度、従業員の解雇に踏み切らざるを得なくなった。
雇用統計よりも労働市場の先行指標とされる失業保険申請件数は3月末に過去最大を記録したのち減少していたが7月中旬以降再び増加に転じた。
19週連続で100万件を上回ったままで、失業保険継続受給者数も1701.8万人と前回1615.1万人から867000人増加。
8週間のうち初めての増加となっている。
トランプ大統領は「7月の雇用統計は大きな数字になる」と期待しているが、先行指標は失業率が再び上昇、雇用者数も減少に転じるというネガティブサプライズの可能性も示唆しており、警戒される。
■7月雇用統計の先行指標・ISM製造業景況指数:雇用:44.3(6月42.1)・ISM非製造業景況指数:雇用:42.1(6月43.1)・米・ADP雇用統計:+16.7万人(予想:+120.0万人、6月:+431.4万人←+236.9万人)・NY連銀製造業景況指数:雇用(現状):+0.4(6月−3.5、6カ月平均−9.9)週平均就業時間:−2.6(−12、6カ月平均−18.2)6か月先雇用:21.1(6月19.0、6カ月平均13.5)週平均就業時間:+3.9(5.0、6カ月平均+6.2)・フィラデルフィア連銀製造業景況指数雇用(現状):20.1(6月−4.3、6カ月平均−5.4)週平均就業時間:17.2(6月-6.5平均-6.7)6か月先雇用:32.4(29.6、6か月平均26.4)週平均就業時間:27.3(25.9、6か月平均23.4)・消費者信頼感指数(%)雇用現況(%)十分:21.3(6月20.5、前年45.6)不十分:58.7(56.2、41.9)困難:20.0(23.3、12.5)6カ月後の予想雇用増加:30.6(6月38.4、前年19.9)減少:20.3(14.4、11.1)不変:49.1(47.2、69.0)所得増加:15.1(15.2、24.9)減少:15.0(14.1、6.6)不変:69.9(70.7、68.5)・失業保険申請件数件数 前週比 4週平均 継続受給者数07/25/20| 1,434,000| 12,000| 1,368,500| n/a07/18/20| 1,422,000| 114,000| 1,362,000| 17,018,00007/11/20| 1,308,000| -2,000| 1,377,000| 16,151,00007/04/20| 1,310,000| -98,000| 1,435,000| 17,304,00006/27/20| 1,408,000| -74,000| 1,499,000| 17,760,00006/20/20| 1,482,000| -58,000| 1,621,250| 18,760,00006/13/20| 1,540,000| -26,000| 1,781,500| 19,231,00006/06/20| 1,566,000| -331,000| 2,008,000| 20,289,000■市場エコノミスト予想失業率:10.5%(6月11.1%)非農業部門雇用者数:前月比+150万人(6月+480万人)民間部門雇用者数:前月比+150万人(6月+476.7万人)平均時給:予想:前月比−0.5%、前年比+4.2%(6月−1.2%、+5.0%)