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フェローテク Research Memo(6):装置部品洗浄の売上高が前期比61.6%、中国においてトップシェア

発行済 2020-08-24 15:46
更新済 2020-08-24 16:01
© Reuters.  フェローテク Research Memo(6):装置部品洗浄の売上高が前期比61.6%、中国においてトップシェア
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■フェローテックホールディングス (T:6890)の業績動向2. セグメント別概況セグメント別状況を見ると、主力の半導体等装置関連は、売上高52,880百万円(前期比7.2%減)、営業利益4,192百万円(同54.2%減)、電子デバイスの売上高は13,489百万円(同4.6%増)、営業利益2,768百万円(同17.0%増)、その他は、売上高15,243百万円(同22.1%減)、営業利益260百万円(前期は1,930百万円の損失)となった。

主要なサブセグメントの状況は以下のとおりであった。

(1) 真空シール関連事業売上高は8,136百万円(前期比31.6%減)となった。

2019年は、半導体及び有機ELや液晶などフラットパネルの製造装置の設備投資が調整に入り、年間を通じて売上が弱含みとなった。

受託加工については、生産稼働確保の為、非半導体用途の国内外の需要を取り込んだ。

しかし、主力の半導体製造装置向け(主に真空プロセス向け)の落ち込みを取り戻すには至らず、通年では大幅減収となった。

(2) 石英製品売上高は16,373百万円(前期比5.0%増)と増収になった。

半導体市場の調整局面のなか、消耗品リピート需要の比率が高く、石英は、おおむね前年並みの売上を確保した。

2019年後半からは、需要回復基調が鮮明になり、受注量の回復も進んだ。

Siパーツは、中国市場での半導体製造装置向けでの採用が進み、厳しい市場環境の中でも増収を確保した。

(3) セラミックス製品売上高は9,048百万円(前期比11.5%減)となった。

マシナブルセラミックス “ホトベール”は、国内・外の従来型、新型ともに、半導体検査治具は堅調に推移した。

海外半導体検査治具材料の販売は低調だった。

海外医療関係部品などは好調であった。

ファインセラミックスは、2019年は顧客の在庫調整などもあり、海外エッチング装置部品の販売が低調に推移した。

国内成膜装置各部品の販売は後半より復調した。

(4) CVD-SiC製品売上高は2,036百万円(前期比27.3%減)となった。

SiCエピ向け高純度耐熱材料は堅調に推移した。

しかし、半導体製造装置向け部材は、設備投資の調整が響き減少となった。

(5) ウエーハ加工と装置部品洗浄半導体ウエーハ加工の売上高は6,754百万円(前期比6.7%減)となった。

自動車、産業機器などの需要減少もあり、6インチ、8インチともに、下期以降に販売が弱含みとなり、通期で前期比6.7%の減収となった。

装置部品洗浄の売上高は、中国国内の半導体デバイスメーカー、FPDメーカーの生産規模拡大に対応し、5,606百万円(前期比61.6%増)と大幅増となった。

(6) サーモモジュール製品売上高は12,701百万円(前期比6.5%増)であった。

自動車向けでは、温調シートの販売は継続的に減少した。

自動車向けの新用途は、将来の採用確度の高い案件にフォーカスした。

その他の産業向けでは、年間を通じ、5G関連の通信機器用途の拡大が顕著であった。

パワー基板は、通期では増収となった。

しかし、下期は産業機器などの調整で減収であった。

3. 主な設備投資と減価償却費2020年3月期の設備投資額は33,920百万円(前期35,953百万円)であった。

当初は48,000百万円の計画であり、約14,000百万円減となった。

これは翌期へずれ込んだことによるもので、計画自体が大幅減となったわけではない。

投資の内訳は、大口径(8インチ、12インチ)関連が約24,500百万円、その他(パワー半導体、石英関連、洗浄関連等)が約9.400百万円であった。

減価償却費は7,600百万円(前期は5,755百万円)であった。

半導体等装置関連事業で業績回復の兆し4. 2021年3月期第1四半期の業績概要2020年8月14日、2021年3月期第1四半期連結決算を発表した。

売上高が前年同期比2.3%減の20,526百万円、営業利益が同25.5%減の1,560百万円、経常利益が同68.5%減の563百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失が1,096百万円(前年同期は1,326百万円の利益)となった。

セグメント別では、半導体等装置関連事業の売上高は前年同期比0.1%増の13,887百万円、営業利益は同55.7%減の736百万円となった。

主力の真空シールは、半導体や有機ELパネルメーカーの設備投資が調整局面から回復の兆しが見られた。

また、半導体のウエーハプロセスに使用される石英・セラミックス等のマテリアル製品は、各国のロックダウンによるリモートワーク等の拡大により、PCやサーバー用途の各種メモリの価格が回復し、デバイスメーカー各社の設備投資や生産活動が再開されたため、需要は前年並みで推移した。

シリコンウエーハ加工は、一定の水準で推移したが設備償却費が負担となった。

半導体製造装置、有機ELパネル製造装置などの部品洗浄は堅調に推移した。

電子デバイス事業の売上高は前年同期比6.4%増の3,467百万円、営業利益は同23.7%増の883百万円となった。

主力のサーモモジュールは、自動車温調シート向けが北米および中国市場での自動車販売数の減少により軟調となった。

5G用の移動通信システム機器、PCR等の医療検査装置向けは計画通りに推移した。

パワー半導体用DCB基板も堅調に推移し、磁性流体もスピーカー向けとスマートフォン用途の需要は一定の水準で推移した。

なお、中国子会社において、太陽電池用多結晶インゴット製造設備等を賃貸し受託加工をしていた契約締結先会社より、コロナの影響による業績不振のため契約解除の申し出があり契約を解除した。

このため遊休となった製造設備を減損処理し、特別損失を約12億円計上した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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