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フェローテク Research Memo(8):通期は前期比8.1%の営業増益予想。設備投資は高水準続く(2)

発行済 2020-08-24 15:48
更新済 2020-08-24 16:01
6890
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■フェローテックホールディングス (T:6890)の今後の見通し3. 2021年3月期第2四半期のセグメント別見通し2021年3月期第2四半期のセグメント別売上高、サブセグメント別売上高の予想は以下のようになっている。

(1) 半導体等装置関連:売上高28,520百万円(前年同期比4.9%増)a) 真空シール関連事業の売上高は4,500百万円(前年同期比11.6%増)が予想されている。

2019年後半から、半導体、有機EL製造装置の受注が持ち直した。

コロナで顧客の導入タイミングに若干の遅延がみられるが、前年同期では増収を見込んでいる。

受託加工も半導体、その他分野で受注が、回復したことから、上期は増収の見通しとなる。

主な施策としては、半導体製造装置メーカーとの共同開発を継続、大型加工機の設備投資継続、グループ間の関係強化によるシナジー獲得、グループ各社の既存チャネル・ブランド活用により中国市場での営業強化としている。

b) 石英製品の売上高は9,580百万円(前年同期比17.0%増)が予想されている。

コロナで設備導入遅延なども見られるものの、成長著しい中国半導体市場向けを中心にロジック系、メモリー系の新規投資も旺盛である。

そのため、石英需要も前年比較で増加の見通しとなる。

また全世界的な5G、データセンター向け新規投資も追い風である。

Siパーツは、中国、台湾、日本などの市場を中心に、成膜工程及び真空エッチ工程での需要が堅調の見込みである。

主な施策としては、大手OEM需要に対応するため設備を大幅に増設した(中国常山工場、東台工場の2拠点稼働中)。

さらに次世代、次々世代用の開発案件への取り組みを強化する。

(国内では山形に開発拠点をオープン、次世代開発製品の工場が2019年5月から稼働している。

)c) セラミックス製品の売上高は4,850百万円(前年同期比5.4%増)が予想されている。

マシナブルセラミックスでは、海外半導体検査治具材料の販売好調が見込まれる。

微細化に伴い新型半導体検査治具販売が堅調を維持すると予想している。

ファインセラミックスでは、海外エッチング装置部品販売が復調の気配。

国内、海外とも成膜装置部品の好調が見込まれる。

継続販売方針としては、マシナブルセラミックスでは、微細化に伴う新型検査治具の拡販に注力する。

高機能物性マシナブルセラミックス材料の引き合いがあり、次世代用に拡販する。

医療、分析関係部品なども同様に拡販に注力する。

ファインセラミックスでは、誘電特性に優れたアルミナ材料の特徴を生かし、新規半導体装置用部品への採用増加を目指す。

豊富な種類のセラミック材料で一般産業機械部品も拡販する。

d) CVD-SiC製品の売上高は1,060百万円(前年同期比13.0%減)と予想されている。

中国の装置メーカー向け部材需要は好調を維持する見込みである。

新規採用を見込んだ半導体エッチャー装置向け消耗部材は、 量産採用時期が第4四半期になる見通しとなる。

e) 半導体ウエーハ加工の売上高は3,170百万円(前年同期比29.6%減)が予想されている。

6インチは需要回復の兆候が見られるものの、8インチは上期に本格的な需要回復が見込めない。

そのため、ウエーハ合計で前年同期比29.6%の減収と予想している。

主な施策としては、8インチは杭州新工場での新規顧客認定をさらに推進する。

12インチは同じく顧客認定を進めており、2021年3月期中の量産を目指す。

f) 装置部品洗浄の売上高は3,550百万円(前年同期比49.5%増)が予想されている。

生産規模拡大が見込まれる中国の半導体・FPDメーカーによる増収(前年同期比49%)を見込むため、中国内の5拠点6工場での増産対応を継続する。

主な施策としては、部品洗浄事業は、安徽省の銅陵工場を主力孫会社として組織再編を行う。

さらに、今後は上海に分析センターを設け、より最先端分野に取り込む。

(2) 電子デバイス:6,630百万円(同5.2%減)サーモモジュール製品の売上高は6,310百万円(同5.1%減)が予想されている。

コロナの影響で自動車販売台数減となり、温調シートは減収見通しである。

その他の産業向けでは、中国を中心に5Gインフラ投資に連動する通信機器用途は堅調を見込む。

民生はウェアラブル、バイオ用途はPCR検査向けが堅調な見通し。

パワー基板は、車、産業機器は弱含むも、前下期比で増収見通しとなる。

自動車向けでは、温調シートは引き続き低調の見込みで、次世代の自動車用途への応用製品の開拓を進める。

その他の産業向けでは、5Gなど通信機器向けの需要拡大を見込む。

また需要増が期待されるパワー半導体基板は生産能力増強を継続する。

主な施策としては、サーモモジュールのサブアッセンブリ品の世界的拡販活動を展開する。

自動車向けアプリケーション開拓の更なる強化(量産化 3~5年)を図る。

そして、パワー基板は、自動車向け窒化ケイ素(AMB基板)の開拓を強化する。

(3) その他:4,850百万円(同36.8%減)現在の中心は縮小中の太陽光関連事業に加え、子会社アサヒ製作所のリネン系洗剤、マシンアッセンブリ事業等が含まれる。

4. 設備投資額と減価償却費2021年3月期第2四半期の設備投資額は14,000百万円が計画されている。

主に中・大口径ウエーハへの投資であり、残りはパワー半導体関係、石英関連、洗浄関連(中国)、その他となっている。

減価償却費は前年同期の3,435百万円から5,000百万円へ増加する見込みである。

この設備投資額に対して、金融機関からの借入れ 約9,500百万円、中国半導体ウエーハ子会社現地借入れ約9,500百万円、中国半導体ウエーハ投資補助金約3,000百万円、中国再生ウエーハ事業子会社の増資約4,000百万円で賄う予定である。

後述するように、今後の投資と財務戦略は同社にとって重要な課題と言える。

なお、2021年3月期通期の設備投資額は、2020年3月期からのずれ込みがあるため29,400百万円(当初計画12,000百万円)を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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