米供給管理協会(ISM)が発表した9月ISM非製造業景況指数は57.8と、8月56.9から低下予想に反して上昇し、7月来で最高となった。
パンデミックの影響を受けた経済封鎖が影響し指数は4月、5月に活動の拡大と縮小の境目である50を割り込んで縮小したのち、4カ月連続で拡大基調にある。
調査の回答者は概ねビジネス状況に楽観的とISMの非製造業景況調査委員会のアンソニー・ニエベス委員長が述べた。
ビジネスの拡大に伴い稼働率やロジスティックの問題が継続していると加えた。
重要項目である新規受注は61.5まで上昇。
また雇用はパンデミックによる経済封鎖が始まる前の2月以来、初めて50を上回り拡大に好転した。
特に建設関連の人手不足が指摘されている。
ただ、雇用の上昇は新規雇用ではなく、雇用の削減を見送った結果。
ネットでは雇用の増加だが、ペースは鈍い。
景況指数も63.0と、62.4から上昇。
四半期末の支出やウイルスの影響で滞っていたプロジェクトの再開などがその理由に挙げられている。
しかし、総じて回答者は見通しが不透明で、秋冬にかけてウイルスの実用化がない中、新型コロナウイルスの第2波などへの懸念を一層強めている。
まだ、危機を脱したわけではない。
回復には依然大規模な金融や財政刺激策が必要だ。
■9月ISM非製造業景況指数:57.8(8月56.9、6カ月平均52.9)新規受注:61.5(56.8、53.7)景況指数:63.0(62.4、54.3)仕入れ価格:59.0(64.2、59.0)受注残:50.1(56.6、51.4)入荷水準:54.9(60.5、62.2)、2月来の低水準在庫増減:48.8(45.8、50.4)雇用:51.8(47.9、41.1)新規輸出受注:52.6(55.8、49.1)輸入:46.6(50.8、48.3)