[オタワ 18日 ロイター] - カナダのスティーブン・ギルボー文化遺産相は18日、記者団に対し、米フェイスブック(FB)には記事使用料を必ず支払わせると表明した。オーストラリアでの支払い義務化の動きに対抗してフェイスブックが同国での記事の共有閲覧の制限を発表したことについては、カナダで同様の展開になっても自分たちも引き下がらないと強調した。
ギルボー氏は記事対価支払いの法案作りの責任者。法案は数カ月以内に公表される可能性がある。同氏によると、オーストラリアのように、コンテンツ使用料支払いで新聞などを展開するメディア企業との合意を義務付け、合意できない場合は仲裁措置を通じ価格を決定する方式にする可能性がある。記事の報酬を求めているメディア企業との協議開始を義務付けるフランス式にする選択肢もあるという。
ギルボー氏は、この2カ国やドイツやフィンランドとそれぞれ先週に話し、ネット向け記事使用の公正な報酬を確実にするため協力し合うことを協議したと明らかにした。何らかの同様の規則を導入する国が「近いうちに5カ国、10カ国、15カ国と増えてくるのではないかとみている」とも語った。
カナダの報道機関団体は昨年、オーストリアのような措置を導入した場合に報道業界は年6億2000万カナダドルを回復できると試算。カナダ政府がそうした対応をしなければ、紙媒体メディアの雇用3100人のうち700人分が失われると主張している。
フェイスブックと異なり、米グーグルはメディア企業との間で記事使用料を払う契約を相次ぎ結んでいる。直近で契約したメディアは500社を超え、カナダのメディア企業とも協議している。