[ベルリン 27日 ロイター] - 26日投開票されたドイツ連邦議会選挙(総選挙)を巡り、暫定結果で僅差の勝利となった中道左派の社会民主党(SPD)は27日、緑の党と自由民主党(FDP)との3党連立政権の樹立に向けた手続きを開始し、2005年以来初めて政権を主導すると表明した。
SPDの首相候補であるオラフ・ショルツ氏(63)は、国民は16年にわたって政権を維持したメルケル首相所属の保守連合、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を野党に追いやったと述べ、3党による連立政権の樹立を目指す考えを示した。
「この国の市民はこの3党が次期政権を樹立すべきだと明確に負託した」と述べた。
暫定結果によると、SPDの得票率は25.7%で、CDU・CSUの24.1%を上回った。緑の党は14.8%、FDPは11.5%となった。
メルケル首相率いる「大連立」で財務相を務めたショルツ氏は26日、クリスマスまでの連立合意を望んでいると述べた。
一方、CDUのアルミン・ラシェット党首(60)も政権樹立を目指す意向を示した。
連立協議中は5期目を目指さないと決めたメルケル首相が暫定的に職務を続けることになる。
<投資家は好感>
27日のドイツ株は上昇。企業寄りのFDPが次期政権に加わる見通しとなったほか、極左の左派党(リンケ)が連立パートナーと見なされるほどの十分な票を得られなかったことが好感された。
LBBWのエコノミスト、Jens-Oliver Niklasch氏は「マーケットの観点からは、左翼の連立が数字的に不可能となったことは良いニュースだ。閣僚ポストがおそらく、政策よりも最終的に重要になるだろう」と述べた。
緑の党とFDPは26日遅く、SPDもしくは保守連合と協議を始める前に、妥協分野を模索するためまずは両党で協議する意向を示した。
ショルツ氏が緑の党およびFDPと合意できると仮定すると、緑の党は以前のSPDとの2党連立政権時にヨシュカ・フィッシャー氏が務めた外相ポストを条件とする可能性がある。一方、FDPは財務相ポストを視野に入れている。