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エレマテック Research Memo(1):高付加価値型ビジネスの拡大、自動車向け拡充等で中長期的な収益拡大を目指す

発行済 2021-12-14 15:11
更新済 2021-12-14 15:15
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■要約

エレマテック (T:2715)は、2009年に高千穂電気株式会社と大西電気株式会社が合併して誕生した電子材料を得意とするエレクトロニクス商社だが、その後2012年に豊田通商 (T:8015)グループ入りした。
近年は単なる部品・部材の販売だけでなく、モジュール製品やODM製品(Original Design Manufacturing、企画段階から参画する製品)の拡販に注力している。


1. 2022年3月期第2四半期は、コロナ禍からの回復で前年同期比7.6%増収、61.7%の営業増益を達成
2022年3月期第2四半期の業績は、売上高91,660百万円(前年同期比7.6%増※)、営業利益3,481百万円(同61.7%増)、経常利益3,408百万円(同67.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,397百万円(同70.1%増)となった。
前年上期が最も新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けた時期であったことから、前年同期比での増益率が高くなっているが、その前の上期(2020年3月期第2四半期)と比較しても営業利益は49.7%増であった。
マーケット別では、3分野すべてで増収となったが、特にAutomotiveが生産の回復に伴い前年同期比29.3%増となった。
世界的に半導体不足が注目されているが、2022年3月期第2四半期については大きな影響はなかった。
地域別では日本だけが減収であったが、これは収益認識に関する会計基準(以下、会計基準)の変更の影響によるもので、実質では増収であった。
売上総利益率は前年同期比1.4pt増と改善したが、会計基準の変更を除いても改善している。
結果、売上総利益額は同23.9%増となり、販管費はコロナ禍からの回復もあり同10.0%増にとどまったことから、営業利益は大幅増となった。


※2022年3月期第1四半期の期首から収益認識に関する会計基準等を適用しているが、前年同期については同基準採用前の数値となっている。
以下、上期の決算数値および前年同期数値についても同様。



2. 2022年3月期も19.0%の営業増益を予想、配当は年間43円(配当性向40.0%)の予定
2022年3月期は、売上高181,000百万円(前期比6.4%増※)、営業利益6,500百万円(同19.0%増)、経常利益6,200百万円(同19.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,400百万円(同20.0%増)と予想されている。
マーケット別では、Digital Electronicsはカメラ・カメラモジュールを中心に2,067百万円増、Automotiveは自動車生産の回復により3,475百万円増、Broad Marketでは、アフターマーケットは減収予想ながらも医療機器や産業機器、モーター等の増加によって5,389百万円増が見込まれている。


※2022年3月期通期予想および前期比較については、前期実績も収益認識に関する会計基準を採用したベースとなっている。



3. 中期経営戦略「エレマテックNEXT」を推進中
同社は、2020年春に中期経営戦略「エレマテックNEXT」を発表した。
主要戦略として「高付加価値型ビジネスの拡大」「国内外有力顧客の開拓」「自動車関連ビジネスの強化」を掲げている。
この戦略を推進・実行していくことで、単なる量的拡大だけでなく、質的な改善を目指していく方針だ。
高付加価値型ビジネスでは、完成品ODMビジネスが本格的に稼働し始めている。
国内外有力顧客の開拓では、フォルダブルスマートフォン向けを強化することで、中国系、米系顧客の攻略を目指す。
自動車向けでは、生産の回復に加えてEV化に伴う新商材の拡販で売上増を計画している。


中期の業績計画として、同社は毎年期初に、ローリング方式による当該年度と2年後の業績予想を開示している。
2022年3月期の開始に当たっては、当期業績予想とともに2024年3月期において、売上高2,200億円、経常利益90億円を目指す中期予想を公表している。


■Key Points
・成長市場の追求と、高付加価値型ビジネスの2つの軸で収益成長を目指す
・2022年3月期は6.4%増収、19.0%営業増益を予想
・中期経営戦略「エレマテックNEXT」を推進中
・中期業績予想では2024年3月期に売上高2,200億円、経常利益90億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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