執筆:Geoffrey Smith
Investing.com -- 米国の株式市場は、金利上昇と企業収益の悪化への懸念が重なっていることで、投資家不安が広がり、週のスタートは下落基調となった。
米国東部時間午前9時40分(グリニッジ標準時14時40分)には、ダウ工業株30種平均は282ポイント(0.8%)下落の35,949ポイント、一方S&P500は1.3%、ナスダック総合は1.9%の下げを記録している。
インフレへの懸念、それを阻止するための連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な引き締め政策に対する先行き不透明感が、この下落の主な原因であった。先週金曜日に発表された雇用統計では、賃金の上昇と労働力の供給不足により、インフレ圧力が高まり続けていることが示された。 ゴールドマン・サックス(NYSE:GS) のアナリストはこれを受け、従来予測を修正しFRBが今年4回の利上げを行い、早ければ7月に大量に保有している債券の売却が開始されるだろうと予想している。
さらに、サプライチェーンの問題が継続して企業利益を圧迫する兆候が見られた。その例としてヨガウェア・メーカーのLululemon Athletica Inc (NASDAQ:LULU)は、年末休暇シーズンの売上が期待外れだったとして、同社の株価は4%下落し、昨年6月以来の安値となった。また、同社は金利上昇が起きた場合、最もリスクを負う企業のカテゴリーに入っている。株価はピーク時から25%以上下落したにもかかわらず、金曜日の終値で、まだ株価収益率(PER)は53倍で取引されている。