執筆:Liz Moyer
Investing.com – 月曜日の株式市場は、重要な経済指標の発表を控え、また米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制に努めているにもかかわらず、景気後退が迫っているとの懸念から、不安定な動きをみせた。
小売売上高は火曜日の朝に発表され、アナリストは物価が上昇していることだけでなく、消費が回復している兆候に注目している。経済生産の3分の2を占める消費者支出は、FRBが金利引き上げに動く中で、経済の健全性を測る重要な指標となる。FRBは今後2回のFOMC会合で、基準金利を0.5%ずつ引き上げするとの見方が強い。
4月の小売売上高に加え、投資家は火曜日にWalmartとHome Depoの四半期決算を目にすることになる。尚、Target(NYSE:TGT)による決算発表は今週末にあり、その後は百貨店の決算発表が続く。
消費者は食料品や燃料の価格上昇に直面しており、ある時点で消費意欲を減退させ、景気減速の火種になることが懸念される。すでに、消費者が家庭用品への支出と外食や旅行などのサービス支出を控えようとする兆候が現れている。
イエレン財務長官は今週、水曜日に始まるG7協議のために欧州に滞在しているが、すでに世界の食糧供給に関する行動計画を発表することを表明している。ロシアがウクライナに侵攻して以来、食料価格は急騰し、小麦は月曜日に6%急騰して2カ月ぶりの高値になった。同氏は、世界の多くの国々にとって穀倉地帯であるウクライナでの紛争が長引くと、特に発展途上国での食糧難がさらに悪化することを懸念している。さらに、インドでは小麦の価格が上昇し、暑い日が続いているため、小麦の輸出禁止を発表した。
火曜日の市場に影響を与えると思われる3点を紹介する。
1.小売売上高
4月の小売売上高は、火曜日の東部時間午前8時30分に発表され、多くの注目を集めるだろう。Investing.comが調査したアナリストは、前月比0.9%増と予想している。
2. Walmartの決算発表
巨大ディスカウント・ストアのWalmart Inc (NYSE:WMT) は、小売業セクターの決算発表の先陣を切るが、アナリストは売上高1388億ドル、一株当たり利益(EPS)1.47ドルを予想している。
3. Home Depotの決算発表
ホームセンターのHome Depot Inc(NYSE:HD)は、売上高366億ドル、一株当たり(EPS)3.68ドルを発表すると予想されている。尚、同社とその競合他社の決算内容は、住宅建設市場の健全性を示す指標にもなっている。