[メルボルン 27日 ロイター] - ドイツはオーストラリアと昨年合意したグリーン水素共同開発計画の加速を望んでいる。ロシアのウクライナ侵攻を受け、脱化石燃料の緊急性が一段と高まったため。シュタルクワチンガー教育・研究相が27日に明らかにした。
同相はインタビューで「ロシアによるウクライナへの恐ろしい侵略戦争のせいで脱化石燃料の圧力が一段と顕著になり、緊急性を帯びた」との認識を示した。
ドイツとオーストラリアは昨年、再生可能エネルギーで製造した水素の供給網を両国間に構築する共同事業について合意を締結。
ドイツは国内のグリーン水素需要を自国で満たす供給能力がないため、海外からの輸入で補う考え。
同相は遅くとも2030年までにグリーン水素の商業規模生産に達することを目指しており、当初はドイツの鉄鋼業界に供給すると説明。
事業に弾みがつけば計画の前倒しも可能だと述べた。同相はオーストラリアに4日間の日程で訪問しており、コモディティー輸出で豪最大手のウッドサイド・エナジーとフォーテスキュー・メタルズを含む現地企業や研究所と水素事業に関する協議を行う。