[東京 19日 ロイター] - 19日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比188円90銭高の2万6977円37銭と続伸した。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めに対する過度な懸念が後退したことが安心感を誘い、幅広い業種に買いが入って一時2万7000円を回復した。ただ、テクニカル面で上値の重さが意識され、中盤から伸び悩み気味となっている。
前日の米株市場は反落したが、日本株は前週の好地合いを引き継いでしっかりでスタート。ただ、上値を買い上がるだけの材料が見当たらず一巡後は伸び悩み、指数は一進一退の展開となった。
テクニカル面では6月28日と7月11日に付けた高値2万7062円が、ダブルトップの強力な節目として意識されている。午前の取引での株価上昇はこの直前で止まっており「この戻りの節目を意識する形で、戻り売りが活発化するようだ」(国内証券)という。
一方、米国企業の決算発表が注目されるほか、国内企業も決算発表シーズンを迎えるため模様眺めムードにもなりやすい。「目先は米テスラなどの決算を見極めたい」(別の国内証券)との声が聞かれた。
市場では「市場の関心は米金融引き締めから、徐々に個々の決算に関心が移っているようだ。そうなると、地合いが好転しても全面高になりにくい。全体をかさ上げするような主力企業の好決算が待たれる」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との見方もある。
TOPIXは0.49%高で午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆2590億8400万円だった。東証33業種では、鉱業、海運業などが上昇し、医薬品なでディフェンシブセクターがさえない。
個別では、ファーストリテイリングが連日の年初来高値更新となったほか、東京エレクトロン、日本郵船などもしっかり。半面、東京電力ホールディングス、第一三共などがさえない。
プライム市場の騰落数は、値上がり1046銘柄(56%)に対し、値下がりが717銘柄(39%)、変わらずが75銘柄(4%)だった。