[上海 26日 ロイター] - 中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング は26日、香港でプライマリー上場を申請すると発表した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)とのデュアル(重複)プライマリー上場となる。
アリババは2019年に香港にセカンダリー上場している。デュアルプライマリー上場への切り替えは今年末までに完了する見通しとした。
発表を受け、午後の香港市場で同社株は6%近く上昇した。
香港取引所(HKEX)は今年1月、種類株を発行する「革新的」な中国企業にデュアルプライマリー上場を認める規則変更を行っていた。アリババは規則変更を利用する初の大手企業となった。
アリババの張勇(ダニエル・チャン)最高経営責任者(CEO)は「より広く多様な投資家層」を持つため重複上場を目指すと説明。
「香港はアリババのグローバル化戦略の出発点でもあり、われわれは中国の経済と未来に全面的な確信を持っている」と述べた。
デュアルプライマリー上場への切り替えにより、アリババは中国本土と香港間の株式相互取引(ストックコネクト)にも申請が可能になり、本土の投資家は同社株を購入しやすくなる。
アリババは14年9月にNYSEに上場し、新規株式公開(IPO)の調達額は当時として史上最大を記録した。
同社株価は20年以降、両市場で下落。中国当局によるハイテク企業の規制強化が響いたほか、米当局もニューヨーク上場の中国企業の会計監査を巡り透明性向上を求めている。
ユナイテッド・ファースト・パートナーズのアジア調査責任者、ジャスティン・タン氏は、アリババ株について、ストックコネクトの対象になる可能性があり、値上がりするだろうと予想。
「他の上場ハイテク企業にとっては、中国企業が米国の証券取引所で直面している規制面のリスクを回避するための戦略となる」との見方を示した。