[1日 ロイター] - 中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングは、米株式市場で上場廃止のリスクがある銘柄に指定されたことを受け、ニューヨークと香港の重複上場を維持するために取り組むと表明した。
アリババは7月29日のニューヨーク株式市場で、11.1%安で取引を終了。週明けの香港株式市場では一時4.5%下落した。
米証券取引委員会(SEC)は7月29日、外国企業説明責任法(HFCAA)に基づき上場廃止リスクがある企業のリストにアリババを追加指定したと発表。 米国に上場する中国企業270社強がこれまでリストに指定されている。
HFCAAは外国企業が3年連続で米国の監査基準を満たさない場合、米国の取引所から上場廃止にすることを目的としている。
アリババは1日、リスト指定は基準不適合の1年目と見なされたという意味だとした上で、「引き続き市場の動向を注視し、適用可能な法令を順守し、ニューヨークと香港での上場維持に努める」と表明した。
米規制当局はニューヨーク上場の中国企業に監査調書の全面提供を求めてきたが、中国当局は国内監査法人にある監査調書を外国当局が検査することを拒んできた。
米国の規則では、中国企業は2024年初めまでに監査要件を満たす必要があるが、議会はこの期限を23年に繰り上げる可能性のある超党派法案を審議している。
ジェフリーズのアナリストは、アリババ株の下落は上場廃止の可能性に対する「条件反射」と指摘。「中国は米国との監査問題の解決を強く望んでおり、協議は続くだろう」とした上で、2024年の期限について、中国には監査問題を解決するための十分な時間があると分析した。
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