■G-7ホールディングス (TYO:7508)の業績動向
1. 2023年3月期第1四半期累計業績の概要
2023年3月期第1四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比4.0%増の42,713百万円、営業利益で同10.0%増の1,653百万円、経常利益で同5.2%増の1,743百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同5.6%減の1,100百万円となった。
第1四半期累計としては売上高で連続過去最高を更新し、営業利益・経常利益も2年ぶりに増益に転じた。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別損失として役員退職慰労金500百万円を計上したため減益となったが、売上高、営業利益、経常利益はおおむね会社計画どおりの進捗となった。
事業会社別に好不調のバラつきがあったものの、主力事業となるオートバックス・車関連事業や業務スーパー事業がいずれも順調に収益を伸ばし、業績のけん引役となった。
また、店舗の出退店状況については、新規出店が4店舗(「業務スーパー」「お肉のてらばやし」各2店舗)、退店が8店舗(「リコス」「めぐみの郷」各4店舗)となり、第1四半期末のグループ店舗数は前期末比4店舗減の596店舗となった。
なお、2022年4月に前代表取締役社長が道路交通法違反で逮捕され辞任したが、本業への影響はなかったようだ。
同社は2022年6月開催の株主総会より監査等委員会設置会社に移行し、新たに3名の監査等委員の取締役を選出(うち2名は社外取締役)、コーポレートガバナンスの一層の強化に取り組んでいる。
(1) オートバックス・車関連事業
オートバックス・車関連事業の売上高は前年同期比9.2%増の8,880百万円、経常利益は同56.4%増の244百万円となった。
コロナ禍の影響で苦戦していた前年同期の水準が低かったこともあり、増収増益となった。
事業会社別の業績動向を見ると、主力の(株)G-7・オート・サービスは売上高で前年同期比4.4%増、営業利益で同153.0%増となった。
カテゴリー別売上動向を見ると、主力商品であるタイヤ販売が値上げによる落ち込みもなく同19.1%増と好調だったほか、車買取販売も中古車の単価上昇等により同26.8%増と大きく伸長した。
一方で、カーAVは同18.1%減と低迷した。
第1四半期末の「オートバックス」店舗数については、前期末横ばいの69店舗となっている。
(株)G-7バイクワールドは売上高で前年同期比7.2%増、営業利益で同5.8%減となった。
既存店売上高は同3%減とやや低迷したものの、2022年3月期の下期に2店舗を出店した効果により増収となった。
一方、利益面では店舗運営コストの増加が減益要因となった。
海外事業のうち、マレーシアで展開している「オートバックス」「バイクワールド」の事業については、営業時間が通常体制に戻ったことを受け、売上高で前年同期比154.3%増と回復、営業損失も若干縮小した。
自動車輸出販売を行うG-7.CrownTrading CO.,LTD.は、円安効果に加えて主要仕向け地のマレーシアにおいて販売取引先を変更した効果もあり、売上高で同84.5%増と急回復し営業利益も黒字転換した。
(2) 業務スーパー事業
(株)G-7スーパーマートで展開する業務スーパー事業は売上高で前年同期比7.0%増の23,637百万円、経常利益で同9.9%増の1,325百万円といずれも過去最高を更新した。
新規に2店舗(熊本県、岐阜県に各1店舗)を出店し、店舗数は前年同期比9店舗増の177店舗となった。
メディアやSNSの露出効果もあって既存店売上高が堅調に推移したことに加え、店舗数の拡大が増収増益要因となった。
(3) 精肉事業
(株)G-7ミートテラバヤシで展開する精肉事業は売上高で前年同期比3.0%減の4,694百万円、経常利益で同42.7%減の35百万円と低迷した。
コロナ禍と円安の影響で輸入牛肉の仕入コストが上昇し、「お肉のてらばやし」の既存店売上高が同5%減と減少したことが収益悪化要因となった。
「お肉のてらばやし」の新規出店は業務スーパーとの同時出店で2店舗となり、第1四半期末の店舗数は前年同期比9店舗増の155店舗となった。
(4) その他事業
その他事業については売上高で前年同期比8.6%減の5,501百万円、経常利益で同93.0%減の5百万円となった。
ミニスーパー事業を展開する(株)G-7 リコス・ストアズは、売上高で前年同期比16.1%減と低迷した。
コロナ禍の反動もあって既存店売上高が同14%減と落ち込んだほか、不採算店舗を4店舗整理し第1四半期末の店舗数が前年同期比6店舗減の65店舗となったことが減収要因となった。
なお、「リコス」に店舗名を変更後は売上高もやや持ち直してきたようだ。
「めぐみの郷」を運営する(株)G7 アグリジャパンは売上高で前年同期比4.9%減、営業損失で若干の損失を計上した。
既存店舗の売上高が前年同期比4%減と低調に推移したことに加え、採算が厳しい状況にあった中部エリアの4店舗を閉店したことが減収要因となった。
第1四半期末の店舗数は前年同期比5店舗減の40店舗となっている。
なお、関東エリアの15店舗(すべて業務スーパー内)についても損失が続いている状況のため、2023年1~3月にすべて閉店する予定にしている。
中部・関東エリアで収益化に苦戦した要因は、生産者との直接のネットワークがなく卸業者からの買取販売だったことで、商品廃棄ロスが一定程度発生していたことが主因だ(関西エリアは委託販売方式のため廃棄ロスは発生しない)。
こだわり食品・プライベートブランド事業を展開する(株)G7 ジャパンフードサービスは売上高で前年同期比0.7%増、営業利益は前年同期の水準が低かったこともあり約10倍増となった。
出張販売など販路開拓に取り組んだことが奏功した。
また、2022年3月期に飲食・スイーツ事業から撤退したことも増益要因となっている。
女性向け健康体操教室「カーブス」(25店舗)を運営する(株)G7リテールジャパンは、売上高で前年同期比17.8%増、営業利益で同18倍増となった。
「カーブス」の会員数が回復したことが収益回復の要因となった。
また、2021年7月に新業態として出店した「トレジャーサイクル」(1店舗)についても順調な販売となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
1. 2023年3月期第1四半期累計業績の概要
2023年3月期第1四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比4.0%増の42,713百万円、営業利益で同10.0%増の1,653百万円、経常利益で同5.2%増の1,743百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同5.6%減の1,100百万円となった。
第1四半期累計としては売上高で連続過去最高を更新し、営業利益・経常利益も2年ぶりに増益に転じた。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別損失として役員退職慰労金500百万円を計上したため減益となったが、売上高、営業利益、経常利益はおおむね会社計画どおりの進捗となった。
事業会社別に好不調のバラつきがあったものの、主力事業となるオートバックス・車関連事業や業務スーパー事業がいずれも順調に収益を伸ばし、業績のけん引役となった。
また、店舗の出退店状況については、新規出店が4店舗(「業務スーパー」「お肉のてらばやし」各2店舗)、退店が8店舗(「リコス」「めぐみの郷」各4店舗)となり、第1四半期末のグループ店舗数は前期末比4店舗減の596店舗となった。
なお、2022年4月に前代表取締役社長が道路交通法違反で逮捕され辞任したが、本業への影響はなかったようだ。
同社は2022年6月開催の株主総会より監査等委員会設置会社に移行し、新たに3名の監査等委員の取締役を選出(うち2名は社外取締役)、コーポレートガバナンスの一層の強化に取り組んでいる。
(1) オートバックス・車関連事業
オートバックス・車関連事業の売上高は前年同期比9.2%増の8,880百万円、経常利益は同56.4%増の244百万円となった。
コロナ禍の影響で苦戦していた前年同期の水準が低かったこともあり、増収増益となった。
事業会社別の業績動向を見ると、主力の(株)G-7・オート・サービスは売上高で前年同期比4.4%増、営業利益で同153.0%増となった。
カテゴリー別売上動向を見ると、主力商品であるタイヤ販売が値上げによる落ち込みもなく同19.1%増と好調だったほか、車買取販売も中古車の単価上昇等により同26.8%増と大きく伸長した。
一方で、カーAVは同18.1%減と低迷した。
第1四半期末の「オートバックス」店舗数については、前期末横ばいの69店舗となっている。
(株)G-7バイクワールドは売上高で前年同期比7.2%増、営業利益で同5.8%減となった。
既存店売上高は同3%減とやや低迷したものの、2022年3月期の下期に2店舗を出店した効果により増収となった。
一方、利益面では店舗運営コストの増加が減益要因となった。
海外事業のうち、マレーシアで展開している「オートバックス」「バイクワールド」の事業については、営業時間が通常体制に戻ったことを受け、売上高で前年同期比154.3%増と回復、営業損失も若干縮小した。
自動車輸出販売を行うG-7.CrownTrading CO.,LTD.は、円安効果に加えて主要仕向け地のマレーシアにおいて販売取引先を変更した効果もあり、売上高で同84.5%増と急回復し営業利益も黒字転換した。
(2) 業務スーパー事業
(株)G-7スーパーマートで展開する業務スーパー事業は売上高で前年同期比7.0%増の23,637百万円、経常利益で同9.9%増の1,325百万円といずれも過去最高を更新した。
新規に2店舗(熊本県、岐阜県に各1店舗)を出店し、店舗数は前年同期比9店舗増の177店舗となった。
メディアやSNSの露出効果もあって既存店売上高が堅調に推移したことに加え、店舗数の拡大が増収増益要因となった。
(3) 精肉事業
(株)G-7ミートテラバヤシで展開する精肉事業は売上高で前年同期比3.0%減の4,694百万円、経常利益で同42.7%減の35百万円と低迷した。
コロナ禍と円安の影響で輸入牛肉の仕入コストが上昇し、「お肉のてらばやし」の既存店売上高が同5%減と減少したことが収益悪化要因となった。
「お肉のてらばやし」の新規出店は業務スーパーとの同時出店で2店舗となり、第1四半期末の店舗数は前年同期比9店舗増の155店舗となった。
(4) その他事業
その他事業については売上高で前年同期比8.6%減の5,501百万円、経常利益で同93.0%減の5百万円となった。
ミニスーパー事業を展開する(株)G-7 リコス・ストアズは、売上高で前年同期比16.1%減と低迷した。
コロナ禍の反動もあって既存店売上高が同14%減と落ち込んだほか、不採算店舗を4店舗整理し第1四半期末の店舗数が前年同期比6店舗減の65店舗となったことが減収要因となった。
なお、「リコス」に店舗名を変更後は売上高もやや持ち直してきたようだ。
「めぐみの郷」を運営する(株)G7 アグリジャパンは売上高で前年同期比4.9%減、営業損失で若干の損失を計上した。
既存店舗の売上高が前年同期比4%減と低調に推移したことに加え、採算が厳しい状況にあった中部エリアの4店舗を閉店したことが減収要因となった。
第1四半期末の店舗数は前年同期比5店舗減の40店舗となっている。
なお、関東エリアの15店舗(すべて業務スーパー内)についても損失が続いている状況のため、2023年1~3月にすべて閉店する予定にしている。
中部・関東エリアで収益化に苦戦した要因は、生産者との直接のネットワークがなく卸業者からの買取販売だったことで、商品廃棄ロスが一定程度発生していたことが主因だ(関西エリアは委託販売方式のため廃棄ロスは発生しない)。
こだわり食品・プライベートブランド事業を展開する(株)G7 ジャパンフードサービスは売上高で前年同期比0.7%増、営業利益は前年同期の水準が低かったこともあり約10倍増となった。
出張販売など販路開拓に取り組んだことが奏功した。
また、2022年3月期に飲食・スイーツ事業から撤退したことも増益要因となっている。
女性向け健康体操教室「カーブス」(25店舗)を運営する(株)G7リテールジャパンは、売上高で前年同期比17.8%増、営業利益で同18倍増となった。
「カーブス」の会員数が回復したことが収益回復の要因となった。
また、2021年7月に新業態として出店した「トレジャーサイクル」(1店舗)についても順調な販売となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)