■業績見通しと今後の取り組み
(2)明光義塾事業の再成長に向けた取り組み
第2四半期累計において2年ぶりに増益に転じた同社の業績が今後も拡大基調を続けて
いくかどうかは、主力の明光義塾事業において現在伸び悩んでいる生徒数が拡大基調
に戻るかどうかがポイントとなる。
明光義塾の教室数、生徒数、末端売上高の成長率を四半期ベースで見ると、2013年8 月期以降、生徒数及び末端売上高の伸びがマイナスに転じたことで、拡大基調を続け てきた教室数の増加ペースも鈍化しはじめ、直近では前年同期並みの水準にまで落ち 込む要因ともなった。
今まで明光ネットワークジャパン {{|0:}}の成長戦略であった「教室数の拡大+生徒数 の拡大+生徒単価の引き上げ」という3次元成長戦略が、少子化の進行と個別指導学 習塾の競争激化によって、苦戦を強いられた結果とも言える。
こうした状況を打破す べく、同社では2015年8月期より新たに5つの施策に取り組んでいる。
第1に、大幅な組織改革を実行した。
具体的には、直営事業部とFC事業部を1つに統 合したうえでエリアごとに分割し、7つの事業部単位とした。
この組織体制の見直し により、直営教室とFCオーナーの合同勉強会や教室見学会などを実施し、互いの情報 共有を今まで以上に密に図れるようにした。
また、今までFCオーナーが個別で行って きた会議もFCエリア会議とすることで、FCオーナー同士の情報連携も取れるようにな るなど、組織の活性化を進め、互いの良い部分を吸収し教室運営に活かせるような体 制整備を行った。
第2に、顧客満足度の向上を図るため、専門のサポートセンターを開設し、生徒・保 護者とのコミュニケーションを今まで以上に密に図り、休退会率の抑制に取り組んで いる。
第3に、講師採用・育成の強化を図るため、講師育成の体系化(階層別の研修等)を 直営教室だけでなく、FC教室でも新たにスタートした。
また、昨今の講師採用難に対 応するため、講師感動エピソードコンテストを実施し、そのなかから秀逸な実話を2 つ選定し、ショートムービーを制作、YouTubeでの動画配信を開始した。
既に、配信 後2週間で視聴回数が20万回を超えるなど反響は上々のようで、同ムービーを視聴し て自信と誇りをもって塾講師を希望する人材が増えることを同社では期待している。
第4に、新情報システム(GIS-地理情報システム、METISポータル)の導入を開始し た。
GIS-地理情報システムは、2月より新たに同社専用にカスタマイズしたものを稼 働させている。
同システムの稼働によって正確な商圏分析が可能となるほか、より精 度の高い生徒募集活動や新規教室開設が可能となった。
また、METISポータルは、本 部と各教室をつなぐ情報システムのことで、2月から稼働を開始した。
本部からの情 報発信力の強化(文字情報のほか映像情報を発信)と教室運営に必要な情報(生徒募 集、各種イベント、競合情報等)やツールの提供を行うシステムとなる。
経営目標管 理を各教室長やFCオーナー、SVなどで共有することも可能となり、教室運営力の向上 につながるものとして期待される。
第5に、教室開設の促進策として、新規オーナー募集やエリアの見直し、サテライト 教室増設の強化、新規教室開設時のサポート体制の充実などを図っている。
こうした取り組みの成果については、すぐに顕在化するものではないものの、こうし た施策を推進することでFC教室の生徒数回復も今後、期待されよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
明光義塾の教室数、生徒数、末端売上高の成長率を四半期ベースで見ると、2013年8 月期以降、生徒数及び末端売上高の伸びがマイナスに転じたことで、拡大基調を続け てきた教室数の増加ペースも鈍化しはじめ、直近では前年同期並みの水準にまで落ち 込む要因ともなった。
今まで明光ネットワークジャパン {{|0:}}の成長戦略であった「教室数の拡大+生徒数 の拡大+生徒単価の引き上げ」という3次元成長戦略が、少子化の進行と個別指導学 習塾の競争激化によって、苦戦を強いられた結果とも言える。
こうした状況を打破す べく、同社では2015年8月期より新たに5つの施策に取り組んでいる。
第1に、大幅な組織改革を実行した。
具体的には、直営事業部とFC事業部を1つに統 合したうえでエリアごとに分割し、7つの事業部単位とした。
この組織体制の見直し により、直営教室とFCオーナーの合同勉強会や教室見学会などを実施し、互いの情報 共有を今まで以上に密に図れるようにした。
また、今までFCオーナーが個別で行って きた会議もFCエリア会議とすることで、FCオーナー同士の情報連携も取れるようにな るなど、組織の活性化を進め、互いの良い部分を吸収し教室運営に活かせるような体 制整備を行った。
第2に、顧客満足度の向上を図るため、専門のサポートセンターを開設し、生徒・保 護者とのコミュニケーションを今まで以上に密に図り、休退会率の抑制に取り組んで いる。
第3に、講師採用・育成の強化を図るため、講師育成の体系化(階層別の研修等)を 直営教室だけでなく、FC教室でも新たにスタートした。
また、昨今の講師採用難に対 応するため、講師感動エピソードコンテストを実施し、そのなかから秀逸な実話を2 つ選定し、ショートムービーを制作、YouTubeでの動画配信を開始した。
既に、配信 後2週間で視聴回数が20万回を超えるなど反響は上々のようで、同ムービーを視聴し て自信と誇りをもって塾講師を希望する人材が増えることを同社では期待している。
第4に、新情報システム(GIS-地理情報システム、METISポータル)の導入を開始し た。
GIS-地理情報システムは、2月より新たに同社専用にカスタマイズしたものを稼 働させている。
同システムの稼働によって正確な商圏分析が可能となるほか、より精 度の高い生徒募集活動や新規教室開設が可能となった。
また、METISポータルは、本 部と各教室をつなぐ情報システムのことで、2月から稼働を開始した。
本部からの情 報発信力の強化(文字情報のほか映像情報を発信)と教室運営に必要な情報(生徒募 集、各種イベント、競合情報等)やツールの提供を行うシステムとなる。
経営目標管 理を各教室長やFCオーナー、SVなどで共有することも可能となり、教室運営力の向上 につながるものとして期待される。
第5に、教室開設の促進策として、新規オーナー募集やエリアの見直し、サテライト 教室増設の強化、新規教室開設時のサポート体制の充実などを図っている。
こうした取り組みの成果については、すぐに顕在化するものではないものの、こうし た施策を推進することでFC教室の生徒数回復も今後、期待されよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)