[東京 29日 ロイター] - 日経平均 .N225 前場終値 20605.68 +54.22 寄り付き 20510.27 安値/高値 20508.4─20626.22
東証出来高(万株) 158340 東証売買代金(億円) 15231.72
前場の東京株式市場で日経平均は11連騰となった。前日の米国株安や円安進行の一服を 背景に、朝方は利益確定売りが広がったものの、押し目買いの意欲は強く切り返す動きと なった。前日比で一時70円超高まで強含んだが、中国株の下落や連騰への警戒感が重し となり伸び悩んだ。TOPIX、JPX日経400 .JPXNK400 は年初来高値を更新した 。
ドル/円が123円台後半で推移するなど、為替がやや落ち着きを取り戻す動きとな ったことで、直近で買われた輸出関連株の一角に利益確定売りが広がった。一方、内需株 には買い戻しの動きがみられた。
寄り付き前には4月の鉱工業生産や消費者物価など市場予想を上回る経済指標の発表 もあり、相場を下支えした。ただ中国の上海総合指数 .SSEC がきょうも大幅安となる場 面があり、日経平均は上げ幅を縮小した。
もっとも押し目を拾う姿勢は強く、指数は底堅さを継続した。「欧米と比べ日本の株 式市場の投資環境が良好だとして、海外勢の長期資金が入ってきている。国内の公的年金 の利益確定売りやポートフォリオの入れ替えも一巡したとみられており、バリュー系銘柄 などが買われる状況が続いている」(エース経済研究所・子幡健二社長)という。
東証1部の売買代金は前引け時点で1.5兆円超に膨らんでいる。株式市場筋による と、5月第5週限日経平均オプションの最終決済に関わる日経平均のSQ(特別清算指数 )値は2万0510円33銭となった。
個別銘柄ではナブテスコ 6268.T がしっかり。同社は28日、発行済株式数の3.1 4%に相当する400万株、取得総額100億円を上限とする自社株買いを発表した。株 主価値の向上や需給改善につながるとの見方から買いが入った。
半面、名村造船所 7014.T が反落。28日に発表した2016年3月期業績予想の下 方修正を嫌気した。受注していた新造船2隻が解約になったという。
また九州電力 9508.T が下げ転換。鹿児島県の口永良部島で29日午前、爆発的な噴 火が発生した。九州電力は同島の噴火について、川内原発の再稼働の判断に影響を与えな いとしているが、今後の情勢を懸念した売りが出た。
東証1部の騰落数は、値上がり1048銘柄に対し、値下がりが680銘柄、変わら ずが156銘柄だった。
(長田善行)