[ワシントン 14日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)は、シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻に絡み、10日に財務省の政府預金口座(TGA)から過去最高の400億ドルを引き出した対応について、米政府の資金繰り策が尽きる「Xデー」の到来時期に影響しないとの見解を表明した。
財務省が13日公表した10日付の日次データによると、FDICの引き出し額はこれまでの過去最高をはるかに上回った。他の連邦政府機関も10日に約130億ドルを引き出しており、米連邦準備理事会(FRB)に設けられているTGAの残高は2080億ドル強と、8日時点から1000億ドル余り減少した。
FDICはSVBファイナンシャル傘下のシリコンバレー銀を管理下に置き、12日には銀行システムの信頼を守るために預金者を保護すると発表した。12日に破綻したシグネチャー・バンクの預金者保護も決めた。
財務省の報道官はロイターに宛てた電子メールで「預金者と銀行システムの安定を守るために取った行動は、債務上限のXデーに影響しない」とコメントした。
イエレン財務長官は、国債のデフォルト(債務不履行)回避に向け議会に債務上限の引き上げを求めてきた。また、1月の債務上限到達後に着手した特別な資金繰り策は6月初旬まで尽きることはない、という見通しをこれまでに示している。
米議会予算局(CBO)は資金繰り策が7─9月のどこかの時点で枯渇すると試算。ただ、時期の見通しは歳入や景気動向に左右されるため不確実性があるとしている。
ライトソンICAPのアナリストは調査ノートで、財務省がFDICの引き出し額を補うことができなければ、Xデーが「7月ではなく6月に到来するリスクが大幅に高まる」と分析した。