[ロンドン 12日 ロイター] - 欧州証券市場監督局(ESMA)は12日、欧州の天然ガスデリバティブ市場はロシアのウクライナ侵攻以降に透明性が低下し、少数の市場参加者による集中と流動性低下のリスクに直面しているとの認識を示した。
「決済や取引における市場参加者の集中度が高く、一部のエネルギー企業が比較的大きなデリバティブポジションを保有していることが特徴」との調査結果を公表した。
最近の状況については「一部で取引所取引から店頭デリバティブ取引への移行が進んでいる。透明性が制限され、証拠金や担保の要件が個別に決まる傾向があることが懸念される」と指摘した。
ESMAによると、天然ガスは貯蔵の制約に直面しており、地政学的イベントなどの外部要因に価格が左右されやすくなっている。
「今後天然ガスのデリバティブ市場におけるリスクの分析には、データギャップやデータの断片化に対処するためさらなる取り組みが必要。その意味で、エネルギーと金融市場の規制当局間のさらなる協力が正当化される」との認識を示した。