[6日 ロイター] - 6月の米株式市場で個人投資家の資金流入が拡大した。高いリターンが魅力となったためだが、物色対象の主体は以前の人工知能(AI)関連銘柄から電気自動車(EV)メーカーに切り替わっている。
バンダ・リサーチによると、個人投資家の株式への6月の資金流入額は1日平均14億ドルで、3月に記録した同15億ドルに迫る水準。
6月の米株は、物価上昇鈍化を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止が近づいたとの観測が強まったため、月間の値上がり率が過去8カ月で最大だった。
バンダ・リサーチのシニア・バイスプレジデント、マルコ・イアチニ氏は「現物株の購入ペースがこのレベルからさらに加速するかどうか予想するのは難しいものの、オプション市場ではさらに投機的な買いが入る余地は残っている」と指摘した。
JPモルガンのデータに基づくと、7月5日時点で株式市場全体の売買高に占める個人投資家の取引の比率は21.9%と1月24日以来の高水準になり、5月末の14%から大きく跳ね上がっている。
イアチニ氏は、常に個人投資家の人気を集めるテスラの納車台数が過去最高となったことをきっかけに、リビアンなど他のEVメーカーにも買いが広がったと話した。
一方先週以降で67%値上がりしているジョビー・アビエーションも個人投資家の買いが原動力になっている。「空飛ぶタクシー」の開発を手がける同社が、米当局から量産型の飛行試験許可を取得したことが背景にある。
オーテックスの共同創業者ピーター・ヒラーバーグ氏は、ジョビーの発行済み株式のおよそ11.6%が空売りされており、株価上昇が続く場合、買い戻しの動きが一段と活発化してもおかしくないとの見方を示した。