*15:13JST IXナレッジ Research Memo(3):DXなどによりIT市場が拡大するなか、IT人材不足は深刻化する見込み
■市場環境
国内IT市場は堅調な成長を続けている。
ハードウェア、ソフトウェア、サービスを含むIT市場規模は、今後も2~3%前後の安定成長が続くと予想されている。
今後の成長ドライバーと期待されるのが、製造業などではDXに対するIT投資案件、金融業では「FinTech」を活用したサービス、通信関連では5G(第5世代移動通信システム)関連である。
情報セキュリティ等に対するニーズの増大やビッグデータ、IoT等の新しい技術やサービスの登場も、市場拡大を後押しする可能性が高い。
(株)アイ・ティ・アールが実施した「国内IT投資動向調査」によると、企業のIT投資は、コロナ禍の影響により見送りや中止が発生した結果、2020年に一時的に下降したものの、2021年から持ち直し、2022年は想定以上に伸長、2023年も堅調な成長が予想されている。
拡大する市場や多様化するニーズのなかIT人材の需要は高まる一方で、国内の人材供給力が低下することから、IT人材不足はより一層深刻化する可能性が高い。
みずほ情報総研(株)(現 みずほリサーチ&テクノロジーズ)(経済産業省委託事業)が2019年3月に公表した「IT人材需給に関する調査」によると、2018年時点で約22万人のIT人材が不足しているが、今後IT人材の供給能力が伸び悩むなか、ITニーズの拡大によりIT市場は拡大を続けるため、IT人材不足は一段と深刻化し、2030年には約45万人まで人材の不足規模が拡大すると予想されている。
アイエックス・ナレッジ (TYO:9753)のビジネスモデルは「IT人材の供給」の側面もあり、今後も同社への期待は高まることが見込まれる。
システムインテグレーターはSIer(エスアイヤー)とも呼ばれ、システムの開発・運用・保守を行う会社である。
メーカー系、ユーザー系、独立系に分類され、同社は独立系に属する。
このうち、メーカー系SIerはコンピュータなどのハードウェアを製造していたメーカーがSIも行うようになった企業であり、NEC (TYO:6701)、日立製作所、東芝 (TYO:6502)、日本アイ・ビー・エム(株)などが代表例となる。
中堅SIerにとっては、競合にも顧客にもなる。
また、ユーザー系SIerは銀行、保険、通信、商社などの大手企業の情報システム部が独立し、親会社や系列会社だけでなく、他社からの仕事も請け負うようになった企業であり、みずほリサーチ&テクノロジーズやNTTデータ、伊藤忠テクノソリューションズ (TYO:4739)などが代表例となる。
中堅SIerにとっては、メーカー系SIer同様に競合にも顧客にもなる。
なお、同社の属する独立系SIerは、BIPROGY (TYO:8056)やSCSK (TYO:9719)などが競合となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
国内IT市場は堅調な成長を続けている。
ハードウェア、ソフトウェア、サービスを含むIT市場規模は、今後も2~3%前後の安定成長が続くと予想されている。
今後の成長ドライバーと期待されるのが、製造業などではDXに対するIT投資案件、金融業では「FinTech」を活用したサービス、通信関連では5G(第5世代移動通信システム)関連である。
情報セキュリティ等に対するニーズの増大やビッグデータ、IoT等の新しい技術やサービスの登場も、市場拡大を後押しする可能性が高い。
(株)アイ・ティ・アールが実施した「国内IT投資動向調査」によると、企業のIT投資は、コロナ禍の影響により見送りや中止が発生した結果、2020年に一時的に下降したものの、2021年から持ち直し、2022年は想定以上に伸長、2023年も堅調な成長が予想されている。
拡大する市場や多様化するニーズのなかIT人材の需要は高まる一方で、国内の人材供給力が低下することから、IT人材不足はより一層深刻化する可能性が高い。
みずほ情報総研(株)(現 みずほリサーチ&テクノロジーズ)(経済産業省委託事業)が2019年3月に公表した「IT人材需給に関する調査」によると、2018年時点で約22万人のIT人材が不足しているが、今後IT人材の供給能力が伸び悩むなか、ITニーズの拡大によりIT市場は拡大を続けるため、IT人材不足は一段と深刻化し、2030年には約45万人まで人材の不足規模が拡大すると予想されている。
アイエックス・ナレッジ (TYO:9753)のビジネスモデルは「IT人材の供給」の側面もあり、今後も同社への期待は高まることが見込まれる。
システムインテグレーターはSIer(エスアイヤー)とも呼ばれ、システムの開発・運用・保守を行う会社である。
メーカー系、ユーザー系、独立系に分類され、同社は独立系に属する。
このうち、メーカー系SIerはコンピュータなどのハードウェアを製造していたメーカーがSIも行うようになった企業であり、NEC (TYO:6701)、日立製作所、東芝 (TYO:6502)、日本アイ・ビー・エム(株)などが代表例となる。
中堅SIerにとっては、競合にも顧客にもなる。
また、ユーザー系SIerは銀行、保険、通信、商社などの大手企業の情報システム部が独立し、親会社や系列会社だけでなく、他社からの仕事も請け負うようになった企業であり、みずほリサーチ&テクノロジーズやNTTデータ、伊藤忠テクノソリューションズ (TYO:4739)などが代表例となる。
中堅SIerにとっては、メーカー系SIer同様に競合にも顧客にもなる。
なお、同社の属する独立系SIerは、BIPROGY (TYO:8056)やSCSK (TYO:9719)などが競合となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)