[チューリヒ 31日 ロイター] - スイス金融大手UBSグループは31日、クレディ・スイスの国内銀行部門を完全に吸収することを明らかにした。数千人規模の雇用喪失につながる可能性があり、スイス国内で反発が起こるとみられる。
クレディ・スイス買収後初のUBS決算発表に合わせ公表された。
UBSはクレディ・スイスの国内銀行部門をスピンオフし、新規株式公開(IPO)を通じて上場させるという選択肢もあった。ただ、国内銀行は堅実な利益を生み出しており、昨年は唯一の黒字部門だった。
セルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)は「完全統合がUBSと利害関係者、スイス経済にとって最善の結果であることは明らか」とし「2024年に予定される法的統合までは別々に運営され、顧客のUBSシステムへの段階的な移行は25年に完了する」と述べた。
UBSはクレディ・スイス国内銀行部門の吸収に伴うコスト削減について、26年末までに100億ドルと想定、27年までに80億ドルとしていた従来予想を引き上げた。節減は主に人員削減を通じて行う。