[6日 ロイター] - 米国株式市場はナスダック総合を中心に主要3株価指数が続落して取引を終えた。予想を上回る米サービス部門の経済指標を受け、依然として根強いインフレが利上げ長期化につながるとの懸念が強まった。
米供給管理協会(ISM)が6日発表した8月の非製造業総合指数は54.5と前月の52.7から上昇し、2月以来の高水準となった。新規受注が堅調に推移したほか、価格指数も上昇した。
市場参加者は早期の利下げを望んでいるが、データは経済の強さに加え、インフレが近い将来の利下げ開始につながるほどのペースで緩和していないことを示している、とBMOファミリー・オフィスのキャロル・シュライフ最高投資責任者(CIO)は指摘する。
金利先高観からグロース(成長)株が特に圧迫され、S&Pグロース指数はアンダーパフォームした。
米国債利回り上昇も株式市場の重しとなった。
ブランディワイン・グローバルのポートフォリオマネジャー、パトリック・ケイザー氏は「グロース株はインフレが十分に抑制され、FRBが利下げするという見方を織り込んできた。これが通用しなくなれば売られやすくなる」と話した。
S&P主要11セクターではグロース株中心の情報技術が1.4%安と下げが最大だった。ディフェンシブセクターの公益事業は0.2%上昇。このほか上昇したのはエネルギー(0.1%高)のみだった。
このところ値上がりしている原油先物がこの日も上昇し、インフレ圧力を巡る懸念に拍車をかけた。
個別銘柄ではアップルが3.6%下落。金利を巡る懸念に加え、中国が中央政府機関の職員に対し、iPhoneをはじめ海外ブランド端末の公務での使用や職場への持ち込みを禁じたという報道が圧迫材料になった。
防衛大手ロッキード・マーチンは4.8%安。戦闘機「F35」の納入見通しを引き下げた。
動画配信機器のロク(Roku)は2.9%上昇。従業員を約10%削減し、新規採用を制限すると発表した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.05対1の比率で上回った。ナスダックでも1.97対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は93億9000万株。直近20営業日の平均は101億7000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 34443.19 -198.78 -0.57 34611.68 34611.68 34291.56
前営業日終値 34641.97
ナスダック総合 13872.47 -148.48 -1.06 13988.81 14001.95 13802.42
前営業日終値 14020.95
S&P総合500種 4465.48 -31.35 -0.70 4490.35 4490.35 4442.38
前営業日終値 4496.83
ダウ輸送株20種 15374.49 -114.23 -0.74
ダウ公共株15種 853.11 +1.67 +0.20
フィラデルフィア半導体 3654.46 -29.34 -0.80
VIX指数 14.45 +0.44 +3.14
S&P一般消費財 1323.38 -12.98 -0.97
S&P素材 514.90 -1.73 -0.33
S&P工業 897.77 -4.31 -0.48
S&P主要消費財 749.91 -1.45 -0.19
S&P金融 568.79 -0.97 -0.17
S&P不動産 229.07 -0.53 -0.23
S&Pエネルギー 695.76 +1.00 +0.14
S&Pヘルスケア 1528.93 -9.35 -0.61
S&P通信サービス 227.34 -1.24 -0.54
S&P情報技術 3097.26 -43.17 -1.37
S&P公益事業 311.85 +0.63 +0.20
NYSE出来高 8.28億株
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 33120 - 120 大阪比
シカゴ日経先物9月限 円建て 33125 - 115 大阪比