[上海 24日 ロイター] - 24日朝方の中国株式市場は小幅高。香港株式市場は下落している。
中国政府系投資会社の中央匯金投資は23日に同社のウェブサイトで、上場投資信託(ETF)を購入したと発表。「将来的に(ETFの)保有を増やし続ける」と、今後も購入を継続する方針を示したが、市場は伸び悩んでいる。
上海と深センの株式市場に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数は0.3%高。香港のハンセン指数は0.3%安。ともに年初来安値付近で推移している。
市場ではイスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突を巡るリスクで世界的に投資家のリスク回避姿勢が強まっている。世界の株式市場の値動きを示す指数は約7カ月ぶりの安値に下落。米国債利回りは一時5%台に乗せた。
南京証券のアナリストは「市場に悲観論が広がっていることが主因だ。米国債利回りの急伸と地政学リスクの潜在的な影響も影響している」とした上で「予想を上回る中国の経済成長データが材料視されておらず、不合理で過度な調整も見られる」と述べた。
南京リスクハント・インベストメント・マネジメントのリサーチ・ディレクターは「(中央匯金投資の発表を受けて)市場は反発するはずだ」とした上で、目先は海外投資家の資金流出動向に注目が集まるとの見方を示した。
海外勢はここ数カ月、中国株式市場から記録的なペースで資金を引き揚げており、中国国営新華社通信系紙の経済参考報は22日、株式相互取引(ストックコネクト)で海外投資家が利用する「北向き(香港から本土への投資)」について、開示している取引データを減らすことを検討する可能性があると伝えた。「投資家がデータを部分的に、あるいは間違って理解し、投資判断に影響を与えかねない」としている。
南京証券はリスクが残っており、一定の調整が続くだろうとし「様子見姿勢を維持した方が良いかもしれない」と述べた。