[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米国株式市場は主要株価指数がこの日の安値圏で引けた。投資家は「高金利長期化」シナリオを示す経済指標やまちまちの米企業決算を消化した。
アマゾン・ドット・コム、アップル、メタ・プラットフォームズの上昇を背景にハイテク株比率の高いナスダック総合指数はプラス圏を維持した一方、S&P総合500種とダウ工業株30種平均は下落した。
週間では3指数とも2%超下げた。
S&P500は7月31日の終値ベースの高値から10.28%下落した。
ベアードの投資戦略アナリスト、ロス・メイフィールド氏は「市場のトレンドに逆らうのは難しい。トレンドは一段と下落している。決算は好調だが、反転上昇の起爆剤にはなっていない」と述べた。
米商務省が27日発表した9月の個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比3.7%で、8月の3.8%から低下し2年余りぶりの低水準となった。
もっとも、連邦準備理事会(FRB)が11月の連邦公開市場委員会(FOMC)で主要政策金利を据え置くとの市場予想にはほとんど影響しなかった。
27日時点でS&P500構成銘柄のうち245社が決算を発表し、決算発表シーズンは実質的に折り返し地点に達した。このうち78%がコンセンサスを上回る決算を発表した。
アナリストらは現在、S&P500構成銘柄の通期増益率を4.3%と予想。月初は1.6%だった。
メイフィールド氏は「大手ハイテク企業の決算は大半が良好だったが、十分ではなかった。ただ全体像は良好で、年末ラリーの土台になるかもしれない」とした。
米アマゾン・ドット・コムは6.8%高。26日、年末商戦を含む第4・四半期の売上高と利益が急拡大すると予想した。
米半導体大手インテルも9.3%上昇。26日発表した第4・四半期業績見通しは、売上高が市場予想を上回った。
フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.2%上昇した。
S&P主要11セクターではエネルギーが最も下落した。一方、一般消費財、情報通信、通信サービスのみ上昇した。
米石油大手シェブロンは第3・四半期決算の減益を受けて6.7%下落。米石油大手エクソンモービルは2023年第3・四半期決算の純利益が91億ドルと過去最高益だった前年同期からは約54%減ったことを受け1.9%下げた。
米フォード・モーターも12.2%安。26日、通期の業績見通しを撤回した。全米自動車労働組合(UAW)と暫定的に合意した新たな労働協約について、組合員の正式承認を待っているためとしている。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.69対1の比率で上回った。ナスダックでも2.08対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は105億5000万株。直近20営業日の平均は106億9000万株。