[ロンドン 13日 ロイター] - トルコのソブリン債は来年、新興国債券投資の分野で最も推奨すべき取引の一つになる――。ドイツ銀行は13日公表した顧客向けノートでこうした見解を示した。
ドイツ銀のストラテジスト、クリスチャン・ビートスカ氏は、最近の急激な価格調整でトルコ国債市場に参入する条件はずっと改善し、一部短期債は既に妙味が出てきているが、全般的にはまだ割高感が残っていると指摘。当面は様子見を継続し、投資判断は「アンダーウエート」を維持すると述べた。
しかし同氏は、さらなる200─350ベーシスポイント(bp)の調整を経た後、来年になるとトルコ債は新興国債券市場でも屈指の堅調な値動きを示すと予想した。
一方同氏は、エジプトのソブリン債について、再度の通貨切り下げが実施される可能性を踏まえて来年早々に一段の調整に見舞われると見込んだ。
エジプトはコロナ禍で主力の観光産業が痛手を受けたため、経済が苦境に置かれ、ソブリン格付けが何度も引き下げられた。またエネルギー価格高騰や借り入れコスト増大により財政が圧迫され、複数回の通貨切り下げを実施し、記録的な物価上昇に悩まされている。
同氏は、エジプト債の投資判断をアンダーウエートに据え置くとともに、投資対象は短期国債に限定するのが好ましいと表明した。
新興国債全体に関しては、ドイツ銀として年末にかけての強気姿勢は変わっていないという。