Marie Mannes
[ストックホルム 27日 ロイター] - 27日付のスウェーデン紙アフトンブラーデットによると、ノルヒェーピング地裁は同日、運輸当局に対し、米電気自動車(EV)大手テスラにナンバープレートを配送する方法を探す必要があるとの判決を言い渡し、テスラ側の訴えを支持する判断を示した。7日以内に配送できない場合、罰金として100万クローナ(9万5000ドル)を納付するよう命じた。
テスラの新車に取り付けるナンバープレートの配送問題を巡っては、スウェーデンとデンマークの国営郵便「ポストノード」の配達員が、多業種にわたるスウェーデンでのテスラ労働争議に共感し、20日からテスラ向けの配送を拒否。また、運輸当局はポストノードと配送契約を交わしていたため、配送方法の切り替えを拒んでいた。
テスラは運輸当局の判断を「スウェーデンで営業する企業に対して他では見られない攻撃」と批判し、ポストノードも相手に含めて訴訟を提起。同地裁は数時間後に判決を出した。
テスラ側弁護士のヨハネス・エリクソン氏はアフトンブラーデットの取材に答え「テスラ側の主張を認めた正しい決定だ」と述べた。
スウェーデンでは、テスラと労働団体の間で争いが続いており、今回の判決はその中でも最も新しく、予想外の展開となった。
産業別労働組合「IFメタル」が前月27日、テスラが労働協約を締結しようとしないためテスラ整備士をストライキに入らせた。その後、港湾労働者や電気技師、清掃員など他の組合のメンバーも共感して行動を起こした。ポストノード配達員も合流し、テスラ新車向けのナンバープレート配送を拒否していた。
テスラは労働協約を締結しない方針をとっており、従業員にはIFメタルの要求と同等か、それ以上の労働条件が整っていると表明している。