[東京 4日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、上値の重い展開が予想される。休場明けの中国市場の動向や中国経済指標の内容次第ではリスクオフの動きが加速しかねない。8月米雇用統計発表後に9月の米利上げ観測が強まれば、欧州中央銀行(ECB)総裁のハト派姿勢にも関わらず、グローバルマネーが萎縮することも考えられる。11日のメジャーSQ(特別清算指数)算出日を前に投機的な売買も出やすく、引き続き振れ幅の大きい地合いとなりそうだ。
日経平均の予想レンジは1万7200円─1万8200円。
恐怖指数とも呼ばれる米VIX指数 .VIX や日経平均ボラティリティ指数 .JNIV をみる限り、投資家の不安心理が収まったとは言えない状況だ。4日の東京株式市場で日経平均は大幅安となり、2月10日以来、約7カ月ぶりの安値水準を付けたが、日本株は引き続き目先の材料を過剰に織り込む落ち着かない相場が予想される。 最初の注目材料は、4日発表の8月米雇用統計。ロイターがまとめた市場予想によると、非農業部門雇用者数が22万人増と予想されている。これを大きく上回ると米9月利上げ観測が強まり、マネーフローの逆流も意識されやすい。「新興国や資源国の通貨が狙い撃ちにされるとリスクが高まる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏)という。ドラギECB総裁が3日の記者会見で追加緩和の可能性を示唆し、グローバル緩和環境が継続するとの期待はあるが、米利上げ観測はそれを打ち消す以上のネガティブ材料になる可能性も否定できない。
休場明けとなる中国市場の動向も気がかりだ。上海総合指数 .SSEC が再び下値を試すようなら、日本株への売り圧力も強まりかねない。中国景気の減速が懸念される中、8日には8月中国貿易収支が発表される。「輸入が予想以上に減速し、中国の内需の弱さが鮮明になれば悪材料」(野村証券シニア・インベストメント・ストラテジストの田之上章氏)との指摘もある。足元の日本株は投資家のマインドに左右され、大きな理由もなく上下に振れる展開になっている。中国発の材料には引き続き敏感に反応しそうだ。
需給面では海外勢の売りに対し、下値で個人、年金、事業法人など国内勢の買いという構図に変化はないが、11日の9月限日経平均先物・オプションSQ(特別清算指数)算出がかく乱要因になる。最近のSQ週はポジション調整や仕掛け的な売買で上下に振れるケースが目立つため要注意だ。一方、9月は中間期末の配当権利取りも意識される。短期的な底打ち感が出れば、ある程度のリバウンドが見込まれる。
(株式マーケットチーム)