[キガリ/ロンドン 5日 ロイター] - 英仏海峡を船舶で渡るなどして英国に不法入国した亡命希望者をアフリカのルワンダへ強制的に移送するための計画を巡ってクレバリー英内相は5日、ルワンダの首都キガリでルワンダと新たな協定に署名した。
英最高裁判所が11月、法律に明記された国際的な人権法に違反するとして移送を違法と判断したことを受けた措置。
新協定では最高裁が懸念事項として示していた点として、ルワンダは亡命希望者を生命や自由が脅かされる国に追放しないという合意を含めた。
また、個人が直接、秘密裏に苦情を申し立てることができる監視委員会と、世界の判事で構成される新たな上訴機関が設置されることになる。
クレバリー氏は新協定に関して最高裁が提起した全ての問題に対処しており、強制移送を阻止する「信じるに足る」根拠はないと主張。ルワンダに対して既存の合意を超えた資金提供をしていないとも指摘した。
ルワンダへの移送計画はスナク政権の移民政策の柱となっており、クレバリー氏は「私たちが今速やかに対応できるよう望んでいる」と述べた。
一方、多くの弁護士や慈善団体は来年の選挙前に強制移送が始まる可能性は低いとの見方を示した。