Summer Zhen Nell Mackenzie
[香港 13日 ロイター] - 関係筋によると、ロンドンを拠点とするクオンツ・ヘッジファンドのアスペクト・キャピタルは中国本土に拠点を設立するため、近く申請手続きを行う。中国国内で資金を募集し、金融商品を販売する。
上海にオフィスを開設する準備を進めており、10月に2人の幹部スタッフを雇ったという。
同社の運用資産は80億ドル以上。多くの海外投資家は経済・地政学面の課題を理由に中国から資金を引き揚げているが、今回のアスペクトの動きは、一部の国際的な投資家が依然として中国市場の可能性に着目していることを示している。
アスペクトは、完全所有外国企業(WFOE)としての登録を目指している。中国の投資家の間で高まっているオルタナティブ資産に対する需要を取り込みたい考えだ。手続きはまだ初期段階という。
同社の投資ソリューション・ディレクター、ラズバン・レムシング氏は先週、ロイターに「中国の先物市場は驚くほど厚みがあり、流動性が高く、他国と異なっている」と指摘。
同氏によると、高純度テレフタル酸(PTA)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール(PVC)、ソーダ灰、尿素、ガラスなどの建設資材といった工業用商品の先物は、欧米に同等の市場が存在せず、中国で国際価格が決まっている。
今年は中国の株式市場が5年ぶりの安値水準に下落しているが、株式・債券・コモディティーなどをコンピューターを駆使して取引するトレンドフォロー型のクオンツ・ファンドは中国で好調な運用成績を収めている。