Stephen Culp
[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種が終盤に上げ幅を縮小し、ほぼ横ばいで取引を終えた。
薄商いの中、S&Pは2022年1月3日に付けた終値での最高値までわずか0.3%の水準にある。ダウ工業株30種は小幅に上昇、ナスダック総合は小幅に下落した。主要3指数はいずれも月間、四半期、年間でプラスを記録する見込み。
カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「年末の上昇としてはこれまでで最高の一つで、その大部分は12月中旬の米連邦準備理事会(FRB)の政策スタンス転換前に起きた」と指摘。
「昨年の弱気相場の底からどれだけ前進したかを思い起こさせ、投資家にとっては暗雲が立ち込めても太陽は必ずまた顔を出すことが確認された」と語った。
S&Pは終値で最高値を更新すれば、22年10月に弱気相場の底に達した後に強気相場入りしたことが確認される。
デトリック氏は「2年ぶりに最高値を更新すれば、24年の経済が好調であることを示すサインかもしれない」と語った。
この日発表された新規失業保険週間申請件数、中古住宅販売などの指標は全て、景気が減速しているものの底堅いことを示す内容となった。
こうした状況を受け、FRBが予想よりも早期に利下げを開始し、リセッション(景気後退)を回避してソフトランディング(軟着陸)を達成するとの見方が高まっている。
S&P主要11セクターでは公益事業の上昇率が最大だった一方、原油価格の下落を背景にエネルギーの下げが目立った。
中国株式市場が5カ月ぶりの大幅な上昇を記録したことを受け、電子商取引大手アリババ、ピンドゥオドゥオ(拼多多)、JDドットコム(京東商城)など米市場に上場する中国企業の株価が値上がりした。
米医療機器メーカーのサイトソーベンツは33.4%の大幅安。手術中の出血を減らす同社の製品が研究の主要目標を達成できなかった。
航空機大手ボーイングは0.7%下落。主力旅客機「737MAX」について、方向舵制御システムのボルトの緩みが生じている可能性を点検するよう各航空会社に要請した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数と値上がり銘柄数の比率が1対1だった。ナスダックでは1.08対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は94億6000万株。直近20営業日の平均は125億7000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 37710.10 +53.58 +0.14 37661.52 37778.85 37650.98
前営業日終値 37656.52
ナスダック総合 15095.14 -4.04 -0.03 15142.10 15150.07 15087.22
前営業日終値 15099.18
S&P総合500種 4783.35 +1.77 +0.04 4786.44 4793.30 4780.98
前営業日終値 4781.58
ダウ輸送株20種 16002.11 -23.83 -0.15
ダウ公共株15種 882.55 +5.26 +0.60
フィラデルフィア半導体 4208.68 -5.91 -0.14
VIX指数 12.47 +0.04 +0.32
S&P一般消費財 1427.14 -5.85 -0.41
S&P素材 541.72 -2.51 -0.46
S&P工業 966.65 +0.06 +0.01
S&P主要消費財 761.08 +0.22 +0.03
S&P金融 628.10 +2.17 +0.35
S&P不動産 254.57 +1.35 +0.53
S&Pエネルギー 641.58 -9.54 -1.47
S&Pヘルスケア 1589.86 +3.83 +0.24
S&P通信サービス 247.24 +0.22 +0.09
S&P情報技術 3406.64 +4.22 +0.12
S&P公益事業 322.21 +2.25 +0.70
NYSE出来高 7.02億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 33480 0 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 33425 - 55 大阪比