Li Gu Vidya Ranganathan
[上海/シンガポール 23日 ロイター] - 中国の株式市場急落で株価指数に連動する金融派生商品(デリバティブ)に損失が発生し、市場参加者がリスク管理のために株式や先物を売る悪循環に陥っている。
中国・香港株式は中国経済への懸念による資金流出を背景に22日に急落し、小型株のCSI1000指数は6%下げた。節目の5000を一時割り込んだ。
これにより、「スノーボール(雪球)」と呼ばれるデリバティブ商品のノックイン価格も下回り、ヘッジ目的で取引されているとみられる株価指数先物への売りが強まった。
スノーボールは株価指数があらかじめ設定されたノックイン価格を下回らない限り、債券のようなクーポン(利息)を約束している。下回ると投資家は損失を被る。
UBSのアナリストはスノーボール商品の規模が額面ベースで500億ドル前後に上り、その40%程度がノックイン価格を下回ったと試算。
中国国際金融(CICC)は株価指数CSI500とCSI1000に連動するスノーボールの多くがノックイン価格を平均4865と4997に設定していると試算。両指数の現在の水準に近い。
バンク・オブ・アメリカのアナリストは、スノーボールに絡む雪だるま式に膨らんだ売りがすでに低迷している株式市場の足を引っ張ったと指摘した。
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