[12日 ロイター] - 米国株式市場は、ナスダック総合が2021年11月に付けた終値での過去最高値を一時上回ったが、その後下げに転じた。米連邦準備理事会(FRB)の政策に影響を与え得るインフレ指標の発表を控え、方向感が出にくい展開となった。
S&P総合500種もわずかに下げたが、終値で9日に突破した5000の節目を維持した。
市場参加者はFRBによる利下げの開始時期やペースについて手掛かりを得るため、今週発表の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)に注目している。
エンジェルス・インベストメンツの最高投資責任者(CIO)、マイケル・ローゼン氏は「13日のCPIは足元のインフレ動向に関する重要指標で、フェデラル・ファンド(FF)金利引き下げまでかかる時間の判断材料となる」と指摘。売り、買いどちらも動きづらいムードだったとした。
ナスダックは21年11月に付けた終値での最高値を一時上回り、取引時間中の最高値(1万6212.229)に迫ったが、午後の取引で失速した。
今週は鉱工業生産や小売売上高、ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)など経済指標発表がめじろ押しとなる。
市場では、人工知能(AI)関連の大型株が過去4カ月間にわたり強気相場をけん引してきた。その他の銘柄も早期利下げ期待や好調な景況感を追い風に上昇してきた。
この日はAIブームに乗るエヌビディアが時価総額で一時アマゾン・ドット・コムを上回り、時価で4番目に大きい米企業となった。だが、終値ではアマゾンが上回った。エヌビディアは0.16%上昇し、アマゾンは1.2%下げた。
CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏は、上値余地あがるとみられる出遅れ銘柄を物色する動きがあったとし、底値拾いが優勢だったようだと述べた。
個別銘柄ではシェール生産大手ダイヤモンドバック・エナジーが9.4%急騰。パーミアン盆地で操業する未上場のエンデバー・エナジーの買収を発表したことを受けた。これによりS&P500業種別指数で、エネルギー が値上がり率トップとなった。
「空飛ぶタクシー」のジョビー・アビエーションは6.4%上昇。アラブ首長国連邦(UAE)で2026年序盤にエアタクシーの運行を開始することで契約を締結した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.4対1の比率で上回った。ナスダックでは1.95対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は111億4000万株。直近20営業日の平均は117億2000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 38797.38 +125.69 +0.33 38656.76 38927.08 38628.92
前営業日終値 38671.69
ナスダック総合 15942.55 -48.12 -0.30 15980.62 16080.07 15917.87
前営業日終値 15990.66
S&P総合500種 5021.84 -4.77 -0.09 5026.83 5048.39 5016.83
前営業日終値 5026.61
ダウ輸送株20種 16210.46 -5.04 -0.03
ダウ公共株15種 844.72 +10.29 +1.23
フィラデルフィア半導体 4560.04 -7.26 -0.16
VIX指数 13.93 +1.00 +7.73
S&P一般消費財 1446.31 -4.00 -0.28
S&P素材 527.95 +3.83 +0.73
S&P工業 991.07 +1.22 +0.12
S&P主要消費財 780.57 +4.92 +0.63
S&P金融 651.87 +2.70 +0.42
S&P不動産 240.37 -0.89 -0.37
S&Pエネルギー 642.49 +6.68 +1.05
S&Pヘルスケア 1679.64 +1.64 +0.10
S&P通信サービス 274.67 -0.50 -0.18
S&P情報技術 3713.25 -28.95 -0.77
S&P公益事業 309.22 +3.50 +1.14
NYSE出来高 9.46億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 37485 + 595 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 37470 + 580 大阪比