[ロンドン 14日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)のビットコインの時価総額が14日の取引で2021年11月以来、約2年3カ月ぶりに1兆ドルの大台を回復した。ビットコインの価格は14日に5万1902ドルと約2年1カ月ぶりの高値を付け、前日比で4.7%上昇した。
仮想通貨の価格プラットフォームのコインゲッコー(CoinGecko)によると、ビットコインの時価総額は1兆170億ドルに達した。ビットコイン現物に連動する米国の上場投資信託(ETF)の取引が今年1月に始まり、資金が流入したのが下支えした。
コインゲッコーによると、ビットコインの時価総額の過去最高は2021年11月に付けた1兆2800億ドルだった。
ビットコインの価格は2月に入ってから約20%上昇し、これまでに月間の上昇率としては昨年10月以来の大きさとなっている。
ビットコインへの投資は、イーサリアムなどを含めた仮想通貨全体の時価総額2兆100億ドルの半分超を占めている。
アナリストらは、米国で取引が始まったETFへの好調な資金流入が、ここ数週間のビットコインの価格上昇要因になっていると指摘した。
LSEGリッパーのデータによると、ビットコイン現物に連動した11の米ETFへの資金流入額は14日までの週で16億4000万ドルに上昇した。規制当局の承認を受け、1月に取引が始まったこれらの商品には直近5営業日に4億900万ドルの資金が流入した。
仮想通貨のマーケットメーカー事業を手がけるB2C2のアナリストらは「このペースが持続するかどうかはまだ分からないが、価格が流れを左右することが多い」とし、「ここ数日間のような日が続けば、大量の資金流入が(ビットコインの)さらなる価格上昇をもたらすと想像せざるを得ない」との見方を示した。